2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J06997
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大林 真也 東北大学, 文学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 社会的ジレンマ / 流動的社会関係 / 協力 / 集団評判効果 / 数理社会学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、流動的な社会関係や集団において人々が協力し合うためのメカニズムを解明することである。そのために、平成26年度は具体的に以下の研究課題に取り組んだ。ひとつは、人の参入・離脱があることによって生じる集団規模の動的な変化が、協力の達成に及ぼす影響を明らかにすることである。もうひとつは、人々が集団から離脱したりすることによって生じる不完全な情報共有が、協力に対して及ぼす影響を明らかにすることである。 一つ目の研究課題には、数理モデルを用いた理論的研究と、それをコミュニティ・ユニオンと呼ばれる労働組合の分析に応用した研究がある。理論的研究に関しては、経験的に観察される「集団評判効果」をゲーム理論に導入して、動的に集団人数が変化する集団において協力が維持されるメカニズムを明らかにするものである。この集団評判効果をゲーム理論に導入するために確率的ゲームを応用して公共財供給ゲームを定式化した。分析の結果、懲罰や報酬など個人に選択的に与えられる誘因がなくても協力が維持される場合があることが明らかになった。さらにこの知見を応用して東京管理職ユニオンで協力的制度が発生したメカニズムの解明を試みた。その結果、集団評判効果が存在する場合、ユニオン設立当初の小規模な状態からでも協力は生じるということが明らかになった。 二つ目の研究課題には、コミュニティ・ユニオンを対象とした発展的な数理的研究がある。流動的な社会関係や集団では、個人の評判情報を不完全にしか知りえないという問題がある。この問題を解決するために、コミュニティ・ユニオンにおける相互行為を不完全情報私的観察ゲームとして定式化しなおして分析を行った。その結果、プレイヤーが集合行為において会ったことのあるプレイヤーに対して協力するという戦略によって、協力が維持されることが明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] The Condition of Generous Trust2014
Author(s)
Obayashi Shinya, Inagaki Yusuke, and Takikawa Hiroki
Organizer
International Network of Analytical Sociologists Conference
Place of Presentation
Mannheim University,Germany
Year and Date
2014-06-07