2013 Fiscal Year Annual Research Report
STAT3遺伝子変異に起因するアトピー性皮膚炎発症機序の解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
12J07012
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
齋藤 雅子 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 特別研究員(PD)
|
Keywords | STAT3 / アトピー性皮膚炎 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、アトピー性皮膚炎に類似した皮膚炎を発症したOxazolone (Ox)反復チャレンジにより誘導する皮膚炎モデルを用いて、STAT3-DNマウスの皮膚局所の検討を行った。 その結果、WTと比較してSTAT3-DNでは8日目までの前半で有意に耳の肥厚の程度が軽く、逆に9日目以降の後半で有意に耳の肥厚の増強が認められた。15日目に、Oxを反復チャレンジした耳をコラゲネースで処理し、耳に浸潤している細胞数を評価したところ、STAT3-DNマウスではWTと比較して、CD4+T細胞、好酸球、好塩基球の絶対数の有意な増加が認められた。一方、好中球の浸潤細胞数はWTと比較して有意に減少していた。また、HE染色においても、WTと比較して皮膚の肥厚と、細胞浸潤の増加が認められた。そこでOxチャレンジにより誘導されるSTAT3-DNマウスの皮膚炎増悪に関与する細胞あるいは因子を同定するためにまず細胞浸潤の増加が著しかった好酸球に着目し、Eosを欠損しているマウスと掛け合わせることで同様に耳介腫脹を検討した。STAT3-DNのバックグラウンドにおいて、好酸球を欠損しているマウスでは好酸球が正常に存在するマウスと同等の耳の腫脹がみられたことから、STAT3-DNの皮膚炎増悪に好酸球が関与している可能性は低いことが分かった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の結果から、STAT3-DNの皮膚炎増悪に好酸球が関与している可能性は低いことが示唆された。これを手がかりとして、好酸球以外の細胞をターゲットとしてSTAT3-DNの皮膚炎増悪に関与する原因細胞の候補を絞ることができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、Oxazolone塗布により誘導されるSTAT3-DNマウスの皮膚炎増悪に関与する細胞あるいは因子を同定するために、細胞特異的にSTAT3-DNを発現するマウスを用いて、同様に皮膚炎を検討していく予定である。
|