2012 Fiscal Year Annual Research Report
超高速・超大容量情報処理を実現する光電子集積三次元LSIの研究
Project/Area Number |
12J07020
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
乗木 暁博 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光電子集積回路 / 三次元LSI / 光結合器(カップラ) / グレーティングカップラ / 半導体 / LSIチップ内光インターコネクション |
Research Abstract |
本研究では光デバイスと電子デバイスが集積されたLSIを積層し、超高速・超大容量情報処理を可能とする光電子集積三次元LSIを実現することを目的としている。この目的に向けて以下の研究を実施した。 (1)積層LSI間光接続技術の開発 積層LSI間の光接続を実現するため、シリコン貫通光配線と平面光導波路を結合する光結合器が必要となる。この光結合器には光を90度曲げる機能が必要となる。しかしながら従来の光結合器では50%以上の結合効率を実現することが困難である。 本研究では新しい光結合器としてUDOC(Unidirectional Optical Coupler)を提案し、検討・試作・評価を行った。UDOCの結合効率をシミュレーションにより計算した結果、85%程度と非常に高いことが分かった。試作したUDOCの結合効率評価においても良好な特性が得られた。また、既存の半導体技術を用いてUDOCを作製することにも成功した。このためUDOCは電子デバイスと親和性が高く、また、高効率な光結合も実現できるため、光電子集積三次元LSIに用いるデバイスとして非常に優れている。よって、UDOCは次世代の高性能情報処理システムを実現するためのキーデバイスになると考えられる。 (2)LSIに集積可能な光変調器と受光器の開発 光変調器の検討、および受光器の試作を行った。光変調器については従来のリング変調器の課題を克服する新しい光変調器を考案した。リング変調器は非常に小型、低消費電力である。よってその課題を克服した新しい光変調器は、光電子集積三次元LSIのみならず、その他の光電子集積システムや光通信においても重要なデバイスになると考えられる。また、光電子集積三次元LSIに集積するための受光器の試作も行い、その基本的な動作を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高効率な光結合器の考案・試作・評価を行うことができ、概ね良好な特性を得ることに成功しているためである。 また、研究実施計画に掲げた目標を達成し得る光変調器を考案したためである。
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Strategy for Future Research Activity |
光結合器の評価は完了していないため、評価を継続し基本特性の取得を完了する。その後、基本的な光電子集積三次元LSIの試作として、シリコン貫通光配線、光結合器、平面光導波路を有するLSIを作製・積層する。試作した光電子集積三次元LSIを用いて、三次元LSI内部の光通信の評価を行う。 また、平成24年度に考案した光変調器を実際に試作するため、材料・作製技術の観点から基礎研究を進めデバイスの試作・評価を行う。
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Research Products
(3 results)