2013 Fiscal Year Annual Research Report
多様なオーキシン応答を引き起こす転写調節機構の基本原理
Project/Area Number |
12J07037
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 大貴 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ゼニゴケ / オーキシン / 信号伝達 / 発生制御 |
Research Abstract |
本研究は苔類ゼニゴケをモデルにTIRI/AFB-AUX/IAA-ARF相互作用を介したオーキシン転写制御機構の有無とその役割について解析してきた。 ゼニゴケ形態形成におけるオーキシン信号伝達の役割を調べるため、ステロイドホルモン依存的にオーキシン応答を抑制できる形質転換体を作成し、様々な成長段階での表現型を解析した。その結果、MplAAを介したオーキシン応答が細胞の分化・伸長に関わり、配偶体における腹側化の促進や器官発生、胞子体の発生など生活環全体にわたって多様な現象を制御していることが示唆された。またMpIAAとMpARFs間の相互作用をBiFC法とY2H法により解析した。その結果、MpIAAとMpARFsはMpARF3同士以外のすべての組み合わせで相互作用できることが明らかになり、またそれぞれの相互作用の強度には違いがあることも明らかになった。次にMpIAAがオーキシン依存的に分解されるかどうかを調べるため、MplAAの予測分解調節領域と蛍光タンパク質の融合タンパク質発現株を作成したところ、著しくタンパク質が不安定化されていることが明らかになった。さらに、ゼニゴケにおけるオーキシン応答遺伝子をRNA-seq解析により網羅的に探索した。その結果、既知のオーキシン応答遺伝子であるMpGH3を含む152の発現変動遺伝子候補を同定した。 本研究の成果から、苔類ゼニゴケにおいてもAUX/IMの分解、AUX/IM-ARF相互作用を介した転写制御機構が保存されていることが明らかになった。またゼニゴケは他の植物種に比べて非常に単純なオーキシン信号伝達機構を用いて、様々な生理応答を制御していることも明らかになった。今後、それぞれのMpARFによる下流遺伝子の発現制御機構が研究されることで、単純な転写調節機構が複雑なオーキシン応答を生み出すメカニズムの理解が進むと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(5 results)