2012 Fiscal Year Annual Research Report
斜長石とかんらん石の相対強度から考察する地球型惑星内部のレオロジー層構造
Project/Area Number |
12J07109
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
東 真太郎 広島大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | レオロジー / 斜長石 / かんらん石 / 相対強度 / 地球型惑星 |
Research Abstract |
本年度は金星内部のレオロジー層構造とその構造がテクトニクスに及ぼす影響を調べるために、以下の研究を実施した。 (1)ドライ・低温(600-1000℃,2GPa)の条件下における斜長石(地殻)とかんらん石(マントル)の相対強度を2相系の変形実験によって決定した。本実験によって、斜長石(地殻)が、かんらん石(マントル)より優位に強度が低いことが明らかになった。この結果は一般的に鉱物の強度を求めるときに使われるPower-lawでは予測できない結果であり、変形メカニズムが高温側から低温側のパイエルスメカニズムに遷移したことが考えられる。 (2)パイエルスメカニズムと私たちの実験結果を基に、より現実的な金星内部のレオロジー層構造を考察した。これによって、金星の地殻とマントル(モホ面)には大きな強度コントラストの存在が期待されることがわかった。この強度コントラストによって地殻とマントルの間で力学的なデカップリングが起こる可能性が示唆された。 (3)一次元の数値シミュレーションによって、モホ面における強度コントラストがテクトニクスに及ぼす影響を調べた。今回、金星の地形において地球の沈み込み帯と似ているとされるArtemisChasmaを模擬して、数値計算を行った。モホ面における強度コントラストが大きい場合、その影響で力学的なデカップリングが起こり、地殻はマントルの移動に引きずられず、表面的にスタグナントリッドのような対流様式になる可能性が示唆きれた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度中に2相系の変形実験と1次元の数値シミュレーションだけではなく、2次元の対流シミュレーションも行う予定であったが、より正確な変形実験のデータを収集するために、実験装置の改良も行ったため、当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度で変形実験と一次元の数値シミュレーションは、ほぼ終了した。今後は金星のモホ面における強度コントラストがテクトニクスに及ぼす影響を2次元での対流シミュレーションによって調べる。 それに加えて、プルームが金星表面へと上昇してきたときの、強度コントラストが及ぼす影響も調べたいと考えている。これは主に、モホ面における強度コントラストが金星表面にプレートが形成されるのを妨げる可能性や、強度コントラストがあることで、プルームによってどのような地形(コロナ地形など)が形成されるのか、ということに焦点を絞り、調査していく予定である。
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Research Products
(3 results)