2014 Fiscal Year Annual Research Report
生細胞内反応パラメーターに基づくフィードバック分子機構の定量解析
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12J07147
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
定家 和佳子 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛍光相互相関分光法 / 生細胞内測定 / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
Ras-ERK情報伝達系は根本的な細胞機能に貢献しているだけでなく、様々な腫瘍の発生に関与している。よって、Ras-ERK情報伝達経路を定量的に解析し、シミュレーションモデルを構築することで、抗がん剤の標的となる分子や反応の予測および検証を行うことができると考えられる。そこで本研究では、シミュレーションの構築に必要なパラメーターを生細胞内で実測し、得られたパラメーターをもとにシミュレーションモデルの構築および検証を行うことを目指した。 前年度までに、Ras-ERK 情報伝達系のシミュレーションモデルを構築し、数値解析を行った。すると、「細胞内でShcがEGFRに複数個結合することが、Ras-ERK経路の活性化に重要である」という可能性を示唆する結果が得られた。この可能性を検証するために、以下の2項目に分けて実験を行った。まず、EGFRの野生型および変異体(Y1138、Y1172、Y1197)に対するEGFによるERKの活性の経時変化の計測を、ウェスタンブロッティングおよび生細胞イメージングによって計測した。Y1138、Y1172、Y1197はそれぞれ過去の論文でShcとの結合が知られている部位である(Jones RB et.al., Nature, 2006)。すなわち、もしShcがEGFRに複数個結合し、それがERKの活性に重要だとしたら、図5のWTから3Fにかけて段階的にERKの活性が減っていくことが予想される。しかし、いずれの方法においても、WTから3Fにかけて段階的にERKの活性が減っていることを確認することはできなかった。そこで次に、実際に生細胞内でShcがEGFRにいくつ結合しているのかをイメージングにより検証した。その結果、EGF刺激によって、エンドソーム上で1個のEGFRに対して約3個の割合でShcが結合していることが示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)