2014 Fiscal Year Annual Research Report
共生性二枚貝における寄主転換による多様化と寄主特異性の成立メカニズムの解明
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12J07151
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
後藤 龍太郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 共生 / 多様化 / 寄主転換 / 寄主特異性 / 分子系統解析 / 系統地理 / 二枚貝 / ベントス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ウロコガイ上科二枚貝類を対象として、寄主転換による多様化パターンの解明と寄主特異性の成立メカニズムの解明を目的として行った。 ウロコガイ上科二枚貝類の多くは、他の動物の体表や巣穴をすみかとして利用する片利共生者である。昨年度に引き続き、多様な寄主からウロコガイ類を採集し分子系統解析を行うことで、詳細な寄主転換パターンの把握を目指した。国内では奄美大島などの南西諸島を中心に調査を行った。また、大西洋産のウロコガイ類の採集のために、バハマ国サンサルバドル島においても調査を行った。深海性の種も系統解析に加えることで、浅海域に多様性の中心をもつウロコガイ上科貝類がどのように深海環境へ進出したかについても検証した。 一方、ウロコガイ上科の1種チリハギガイを対象として、どのような要因(寄主、地理的構造、海流、水温)が種内の遺伝的分化をもたらしているかについて検証した。北海道から南西諸島まで広い範囲でサンプリングし、得られた標本を用いて分子系統解析を行った。その結果、日本に分布するチリハギガイには系統的に離れた2種が含まれており、多くの集団で共存していることが明らかになった。それぞれの種で地理的な遺伝的分化が観察されたが、寄主の違いよりむしろ水温の違いや地理的構造が遺伝的分化に寄与している可能性が高いことが示唆された。 ウロコガイ上科の共生性二枚貝類の主要な寄主であるユムシ類やシャミセンガイ類を対象にDNAバーコーディングや分子系統解析を行い、国内における種の多様性や系統関係を把握した。この結果に基づき寄主利用範囲を見直すことで、ウロコガイ類には、同系統の寄主を幅広く利用するタイプの種(ジェネラリスト型)と、特定の種や近縁種のみを利用するタイプの種(スペシャリスト型)が存在することが明らかになった。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Coprinopsis asiaticiphlyctidospora sp. nov., an agaric ammonia fungus from Amami and Okinawa, southern Japan2014
Author(s)
Toshimitsu Fukiharu, Kiminori Shimizu, Hideyuki Utsunomiya, Jay Kant Raut, Ryutaro Goto, Tomoko Okamoto, Makoto Kato, Reiko Horigoma, Tatsuto Furuki, Noriko Kinjo
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Journal Title
Mycoscience
Volume: 55
Pages: 355-360
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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