2012 Fiscal Year Annual Research Report
海洋島フロラ成立メカニズムの再検討:海鳥による付着型種子散布の貢献
Project/Area Number |
12J07268
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青山 夕貴子 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 種子散布 / 海鳥 / 小笠原諸島 / 海洋島 / 島しょ生態系 / 付着型種子散布 / 長距離散布 / フロラ |
Research Abstract |
海鳥散布プロセスの検証〈付着メカニズムの解明〉 海鳥散布プロセスの検証の一部として、種子の付着がおこるのは巣材に種子が含まれているからではないかという可能性に注目した。海鳥が巣材として用いる植物体に種子が含まれている場合、単に繁殖地にある植物種が付着するというだけでなく、海鳥の種による巣材選好性によって散布される植物種に違いが生じると考えられる。また巣材に接している時間は長いため歩行中の接触だけでは付着しない種子も付着する可能性がある。クロアシアホウドリ、オナガミズナギドリ、アナドリ、カツオドリの巣材を分析した結果、すべての海鳥種の巣から多様な植物種の種子が検出された。特に地上繁殖種であるクロアシアホウドリとカツオドリの巣には多様な植物種の種子が含まれており、捕獲調査でこれらの種の羽毛から検出されている植物種の種子はすべて巣材に含まれていることが分かった。一方オナガミズナギドリやアナドリのような巣穴繁殖種の巣材は比較的少数種の種子しか含まれていなかった。 海鳥散布プロセスの検証〈海鳥による陸地利用〉 海鳥が島間移動をすることを確かめるため、父島列島および母島列島周辺の島に海鳥がとまっているかどうかを海上から観察した。その結果、特にカツオドリは頻繁に繁殖地以外の陸地を利用していることが分かった。このことは、少なくともカツオドリは頻繁に島間移動を行っており、種子を島間散布する能力があることを示している。 海洋等フロラ成立過程の再検討〈付着散布可能な種子の解明〉 海鳥によって付着型種子散布をされる植物種をリストアップするため追加的な捕獲調査を行った結果、昨年度までの調査では検出されなかったケツメグサやタツノツメガヤの種子が見つかった。これらの種子は非常に小さいため昨年度までの調査では見落とされていた可能性がある。1.5~2mm以下の小型種子は海鳥の付着散布に非常に適していると考えられる。
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Research Products
(4 results)