2014 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム行列理論の一般化と多変量時系列データ解析への応用
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12J07270
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
新井 優太 新潟大学, 自然科学系, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 株式市場 / 多変量解析 / 動的相関 / 主成分分析 / ランダム行列理論 / ネットワーク / コミュニティ解析 / 多体相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き株式市場の相関構造について、複素主成分分析で抽出した有意な相関構造を基にネットワークを構築・解析した。これまでは、単に同期した銘柄のみにリンクを張った“無向”ネットワークを扱っていた。しかし本年度は、リンクが張られた銘柄間のリード・ラグ情報を取り入れることで“有向”ネットワークを構築した。このようなネットワークに対して解析を行った結果、前年度の研究結果と同様に、フラストレーション状態にある多極構造の存在が確認できた。さらに、コミュニティ(株価変動が同期しており、強く相関する銘柄集団)内のネットワーク構造はループ状になっていることも分かった。 本研究で扱った株価時系列の場合、コミュニティ間は反相関関係(逆位相)として得られたが、コミュニティ間に明確な位相差が存在する場合、コミュニティ間のリード・ラグ関係を考慮したダイナミクスを捉えることも可能になると考えている。 次に、これまでの研究で明らかになったフラストレーション状態は、従来の2体相関を扱っていては決して現れず、3体以上の多体相関を考えることで初めて現れる。そこで本研究では、多体相関の第一歩として3体相関の解析も行った。まずは簡単のために、株価の変動幅は無視して上がるか下がるかの2値化し、2体相関効果と3体相関効果を2項分布を用いて統計的に評価した。 その結果、(1)任意に2つの銘柄を選んだ場合は同じ価格変動を促進させるような2体相関効果が、(2)任意に3つの銘柄を選んだ場合は同じ価格変動を抑制させるような3体相関効果が、存在することがわかった。この結果はNikkei225とS&P500インデックス構成銘柄(2001年~2011年の全営業日で取引が行われた銘柄)の11年間の平均であるが、1年毎にデータを区切り2体相関と3体相関効果をそれぞれ見積もったところ、どの期間においても同様の結果が得られた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)