2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07358
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 翔太 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員DC1
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Keywords | 単結晶X線構造解析 / 結晶スポンジ法 |
Research Abstract |
本年度は昨年度に開発した結晶化することなく結晶構造解析用試料を作製できる「結晶スポンジ法」の研究をさらに進展させ、爆発性化合物や不斉を有する化合物の構造決定に応用できることを見いだした。 結晶スポンジをオゾン酸化反応の反応混合溶液5μLに浸し、新たに開発した低温条件での包接を行ったところ、二次オゾニドの構造解析に成功した。一般にオゾニドのような爆発性が危惧される化合物は実験スケールが制限され、分析が困難であり、これまで結晶構造はあまり報告されていなかった。しかし、本年度に開発した手法によって、結晶スポンジ法を用いれば、オゾニドのような爆発性化合物であっても微小スケールで安全に構造解析できることを見いだした。 さらに、軸不斉を有する化合物は一般に絶対構造決定が難しく、誘導体化した後に単結晶X線構造解析によって決定する必要があった。ところが、このような軸不斉化合物についても、結晶スポンジに包接させ、構造解析を行うと、誘導体化や結晶化の手間無く、絶対構造を簡便に決定できる事が分かった。 また、本手法を誰もが利用できる一般的な手法へと発展させるべく、本手法の適用できる化合物や、包接条件の基準作りについても研究を展開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初想定していなかった不安定化合物であるオゾニドや軸不斉を有する化合物まで結晶スポンジ法を拡張することに成功したため
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、有機合成研究者との共同研究などを通じて、最新の有機合成技術によって合成された化合物などの構造決定に結晶スポンジ法を応用していく。
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Research Products
(3 results)