2014 Fiscal Year Annual Research Report
トラフグ脂質代謝制御因子としての成長ホルモンの機能解析
Project/Area Number |
12J07423
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 雪 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Takifugu rubripes / トラフグ / 成長ホルモン / 脂質代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類では主要な脂質蓄積部位が魚種ごとに異なっており、トラフグのように主に肝臓に脂質を蓄積する魚種と、マダイのように主に筋肉と肝臓の両組織に脂質を蓄積する魚種に大別される。脊椎動物では、成長ホルモン(GH)がこれらの組織における脂質の放出や取り込みを制御することが知られているが、魚類脂質代謝におけるGHの影響は未解明である。本研究では、肝臓特異的に脂質を蓄積するトラフグを対象に、GHがその脂質代謝に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし、本年度は以下の研究を実施し成果を得たので報告する。 ①筋肉幹細胞の分化に関わる研究 前年度までの研究結果により、トラフグ筋肉幹細胞の分化効率に関する検討が必要となった。そのため、海外の他研究機関に出向し、哺乳類の筋肉幹細胞を用いて分化に関する知見および実験手法を学んだ。帰国後はその技術を魚類に適用し、ゼブラフィッシュから筋肉幹細胞の単離を試みた。物理的細切および酵素処理によって筋肉から解離細胞を得たが、筋肉幹細胞と同定するまでは至らなかった。 ②フグ科魚類GHシグナルに関わる研究 トラフグのインスリン様成長因子(IGF-I)およびミドリフグのGH受容体(GHR1および2)について、リアルタイムPCRにより転写産物の詳細な組織分布を調べた。その結果、トラフグIGF-Iが肝臓で最も発現していること、およびミドリフグにおいてトラフグと同様に速筋においてGHRが高発現していることを明らかにした。この結果はフグ科魚類において特異的なGHシグナルが存在することを示唆している。また、トラフグおよびミドリフグに共通するアミノ酸配列を認識する抗体を調製、精製し、ドットブロットおよび組換えタンパク質を用いたウェスタンブロットによって、抗体の特異性を確認した。本抗体はフグ科魚類GHシグナル研究に有用なツールであると考えられる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)