2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07486
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮澤 大樹 東北大学, 農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ナノ粒子 / β-カロテン / 脳 / PLGA / 血液脳関門 / UV-HPLC / Tween-80 / 生分解性 |
Research Abstract |
AD脳では抗酸化成分であるカロテノイドの濃度が健常者と比較して有意に低値であることも報告されている。しかし、血液脳関門の存在により食品として摂取したカロテノイドが効率よく脳内に移行し、その抗酸化能を発揮させることは困難である。グリコール酸/乳酸共重合体(PLGA)ナノ粒子は生分解性高分子の1つであり体内で二酸化炭素と乳酸に分解される。また、非イオン性界面活性剤であるTween-80でコーティングすることでナノ粒子表面にアポリポ蛋白が吸着し、in vivoの動物試験では血液脳関門を通過できることが報告されている。本研究では、カロテノイドを内包したTween-80装飾PLGAナノ粒子を作成し、脳内へのルテインの移行量を増加させ、ADの発症や進行を抑制することを目標とした。β-カロテン封入PLGAナノ粒子投与群では尾静脈投与後1時間経過した血漿のβ-カロテン濃度はTween-80で覆った粒子を投与した群と比較して約162倍高濃度だった。Tween-80で表面を覆わなかったPLGAナノ粒子は表面にアポE蛋白質以外にも、様々なタンパク質が接着し、臓器へ取り込まれにくくなり血中に滞留していたと考えられた。また、ナノ粒子表面をTween-80で覆った群と覆わなかった群で脳内のβ-カロテン濃度には有意差が確認されなかったが、その原因は凍結乾燥で使用したスクロースの存在が考えられる。粒子は受容体介在性トランスサイトーシスによって脳内に移行されると考えられることを目的とした。しかし、in vitroの試験でスクロースはエンドサイトーシスの阻害物質として使用されており、PLGAナノ粒子においてもスクロースの存在によってエンドサイトーシス阻害が確認されている。今後、別の凍結乾燥保護剤を使用する方法で粒子を作成しナノ粒子の脳への取り込み検証する。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(7 results)