2012 Fiscal Year Annual Research Report
初代乳腺上皮細胞の三次元培養システムの開発とその高悪性乳癌発症機構解析への応用
Project/Area Number |
12J07489
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 瑞生 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | Basal-like乳癌 / 初代乳腺上皮細 / 3次元培養 |
Research Abstract |
乳癌はLuminal-like, Basal-ike, ErbB2過剰発現タイプの3つのサブタイプに大別される。中でもBasal-like乳癌は癌細胞そのものの増殖能や運動性が高いことに加えて、従来の治療標的分子の発現が見られず有効な分子標的治療法が存在せず予後が悪い。本研究ではBasal-like乳癌の発癌および癌悪性化に関する因子を網羅的に解析するため、マウス由来の初代培養乳腺上皮細胞とマトリゲル三次元培養を用いたin vitroスクリーニング系の確立を目標として研究を行った。 まずBasal-like乳癌のcell of originであることが報告されているLuminal前駆細胞の単離を試みた。マウス乳腺fat padを酵素処理し得られた細胞懸濁液をCD45,TER119,CD31で染色して血球や血管に由来する細胞を除去し、残りの上皮および繊維芽細胞を含む画分をCD24,CD49fおよびCD61で展開することでCD24^<high>,CD49f^<low>,CD61^<positive>のLuminal前駆細胞画分をセルソーターによって分取した。このLuminal前駆細胞をマトリゲル上に播種して乳腺構造を模倣した管腔の形成を観察したところ、中空コロニーが形成された。またp53欠損マウスから単離したLuminal前駆細胞においても同様の中空コロニー形成を確認した。 次に遺伝子導入用のレンチウイルスベクターの構築を行った。中空コロニー中のわずかな細胞への遺伝子の影響を観察するために、ウイルス感染細胞が蛍光タンパク質mCherryとDox依存的な遺伝子発現調節因子rtTAを発現し、Dox添加によって目的遺伝子とVenusを発現するようベクターを設計し、実際にウイルスが感染しているmCherry発現細胞においてDox依存的なVenus発現誘導が起こることを確認した。今後は中空スフィアにおける遺伝子の発現と中空構造崩壊を観察するためにポジティブコントロールとしてERBB2を用いて検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
p53欠損マウスの乳腺上皮細胞を用いた3次元培養で、乳腺構造を模倣する中空コロニー形成が確認された。また、遺伝子導入系としてレンチウイルスベクター作成を行い、目的の誘導システム構築に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、癌遺伝子であるERBB2をポジティブコントロールとして中空コロニーの崩壊の観察を行うことで、遺伝子誘導のタイミングや観察条件の最適化を行う。また、中空コロニー中の細胞に導入してスクリーニングを行うライブラリを作成するため、乳癌マイクロアレイのdatabaseからbasal-like乳癌を抽出し、発現が亢進している遺伝子セットや活性化が示唆されるシグナル伝達分子の抽出を行い、レンチウイルスベクターへ組み込む。
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Research Products
(2 results)