2013 Fiscal Year Annual Research Report
初代乳腺上皮細胞の三次元培養システムの開発とその高悪性乳癌発症機構解析への応用
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12J07489
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山本 瑞生 早稲田大学, 理工学術院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Breast cancer / 3D culture |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はレンチウイルスによる遺伝子導入のためのベクターの開発を行った。ウイルスベクター感染後の任意なタイミングで遺伝子発現を誘導し、かつその発現を蛍光によってモニタリング可能にするためにTRE配列下流にMulti cloning siteを持ち、更にIRES-Venus配列によってVenus遺伝子発現が誘導される発現カセットを作成した。また、TRE配列をDOX依存的に活性化するrtTAを恒常的に発現し、同時にmCherryによるベクター導入細胞をモニタリング可能とする調節カセットを作成し、これら2つのカセットを1つのレンチウイルスベクターに統合した。ウイルスベクターを濃縮した際にVSV-G由来と考えられる細胞毒性がみられたことから、ウイルス産生に重要なアクセサリータンパク質の発現量の最適化を目的としてパッケージング細胞へのco-transfection量の検討を行った。その結果、少ないVSV-G導入量でより良いタイターのウイルス産生が可能となった。 次にスクリーニングの候補遺伝子の絞り込みを目的として公開されているマイクロアレイデータの解析を行った。乳管内のみで癌細胞の増殖が見られる非浸潤性乳癌の発現プロファイルからクラスタリング解析によってBasal-like乳癌の検体を探索した。その結果、計4つのマイクロアレイデータからそれぞれ1つずつの非浸潤性のBasal-like乳癌を見つける事ができ、ここから2つ以上の検体で過剰発現が見られる147遺伝子を抽出した。これらの遺伝子は細胞分裂に関係する機能を持つものが多かったが、Basal-like乳癌に特異的に発現することことから他のサブタイプとは異なるBasal-like乳癌特異的な癌化機構に関与する可能性を考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ウイルスベクターの構築、及びスクリーニング対象の遺伝子の絞り込みが完了し、研究はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は絞り込みを行った遺伝子を今回作成したレンチウイルスベクターに組み込み、乳腺上皮細胞の3次元培養アッセイにおける乳管様構造に与える影響を検討する予定である。
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