2014 Fiscal Year Annual Research Report
実証型TOBA重力波検出器の開発とそれを用いた低周波重力波探査
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12J07531
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
正田 亜八香 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重力波 / ブラックホール連星 / ねじれ振り子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、地上でも低周波数帯に感度を持つ次世代ねじれ振り子型重力波検出器Phase-II TOBAを開発し、200ソーラーマスをもつ中間質量ブラックホール連星からの重力波を初探査した。 TOBAとは、2本のねじれ振り子をもつ重力波検出器であり、地上でも1Hz付近の重力波に感度を持つことが大きな特徴である。TOBAは中間質量ブラックホール連星などを観測ターゲットとし、これによって巨大質量ブラックホール、ひいては我々の銀河の進化過程の解明が期待されている。これまでに最初のプロトタイプが開発され、原理検証や初観測が行われていた。 本研究では、感度向上のためのアップグレードや技術確立のため、Phase-II TOBAの開発を行った。ここでは能動防振系と受動防振系を取り入れる事で地面振動からのカップリング雑音を低減し、1~10Hzで最大約100倍感度を向上させたほか、ねじれ振り子の複数の回転モードをモニターする事で1台で独立な3信号を得る、multi-output systemの提唱・実証を行った。multi-output systemによって、従来は存在していた死角がなくなり、重力波の検出頻度を向上させられるほか、重力波が検出された際にはより少ない検出器で重力波源の方法を決定できるようになる。この手法によって、低周波重力波天文学をより低予算でも展開させる事が可能になる。これらによって、今後のアップグレードにおいても基本となる懸架技術を確立させた。 また、開発した検出器を用いて24時間の連続観測を行い、200ソーラーマスをもつ中間質量ブラックホール連星からの重力波を世界で初めて直接探査した。探査では信号は非検出であったが、初めて観測による制限をつけた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)