2014 Fiscal Year Annual Research Report
小胞体の細胞内流動を介したウイルス移行メカニズムの解明
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12J07554
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湊 菜未 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 植物病原体 / 細胞骨格 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ウイルスの細胞内移行が植物の原形質流動を利用したものであると考え、その移行メカニズムを解明する。初期感染細胞においてウイルスは、複製複合体を小胞体(ER)膜上に形成し隣接細胞に至るまで細胞内を移行すると考えられているが、どのように移行を行っているかについては不明であった。申請者は、ウイルスの複製複合体は、ER膜上に存在したままミオシンを介してアクチン上を流動することによって細胞骨格を利用して移行するものと考えた。 本年度においては「ウイルスの移行速度解析」および「ウイルス様病原体を用いた解析」の二点について、以下の研究を実施した。 1. ウイルスの移行速度解析 前年度作出した緑色蛍光タンパク質(GFP)により標識したplantago asiatica mosaic virus (PlAMV-GFP) を用いて、植物個体におけるウイルスの移行速度解析を行った。ウイルス接種後7日目から31日目まで経過時間毎のウイルスの拡がりをGFPを用いて追尾し、可視化した。この成果は平成26年度日本植物病理学会本大会において発表された。 2. ウイルス様病原体を用いた解析 植物ウイルスPlAMVを用いた研究と並行して、ウイルスと同様に植物細胞内に寄生する細菌についても解析を進めた。このウイルス様病原体は、自らは細胞内に留まりながら宿主植物の代謝を撹乱し、形態異常などの病徴を誘導する。先行研究により、このウイルスによく似た生活環を持つ細菌は媒介昆虫の体内でアクチンフィラメントと結合して存在していることが示されており、その宿主の細胞骨格を利用した感染・増殖機構の知見は植物ウイルス研究にも大いに活用することが可能であると考えられる。今年度申請者はこの細菌が分泌するタンパク質が植物の器官成熟に与える影響とその機構を明らかにした。この成果は平成26年12月にScientific reportsに掲載され、また平成27年3月の日本植物病理学会本大会において発表された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] The phytoplasmal virulence factor TENGU causes plant sterility by downregulating of the jasmonic acid and auxin pathways.2014
Author(s)
Minato, N., Himeno, M., Hoshi, A., Maejima, K., Komatsu, K., Takebayashi, Y., Kasahara, H., Yusa, A., Yamaji, Y., Oshima, K., Kamiya, Y. & Namba, S.
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Journal Title
Scientific reports
Volume: 4
Pages: 1-7
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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