2012 Fiscal Year Annual Research Report
高周波VLBIによる銀河系中心の巨大ブラックホール Sgr A*の放射機構の解明
Project/Area Number |
12J07566
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 和徳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ブラックホール / VLBI / サブミリ波 / ミリ波 / Sgr A* / NRAO 530 / 3C 279 / Event Horizon Telescope |
Research Abstract |
研究計画に従って研究課題である銀河系中心SgrA*の放射機構の解明に用いる国際サブミリ波VLBI観測網「Event Horizon Telescope」の観測データの解析のために、米国マサチューセッツ工科大学ヘイスタック天文台に滞在した。 滞在期間中において報告者はSgrA*のデータ解析をするために必要な較正天体NRAO 53O, 3C279のデータを解析し、サブミリ波VLBI観測では世界で2例目となる天体の画像の取得に成功した。今回の観測で得られた両天体の活動銀河核ジェットの最も内部の構造はこれまで観測されたより外側のジェットの構造とは大きく異なっており、活動銀河核 ジェットの内縁でおきている現象を解き明かすのにサブミリ波VLBIが非常に重要な役割を果たすことを示した成果となった。また今回の画像の解像度(60μ秒角)は、世界初のブラックホール・シャドー検出に必要な解像度(数10μ秒角)に肉薄するものであり、本成果は将来のブラックホールの直接撮像への大きな一歩となる。この成果は大分大学で開催された日本天文学会秋期年会をはじめ多くの国内・国外の研究会で発表された。さらに日本天文学会秋期年会における報告者の本成果に関する講演は日本天文学会理事長・副理事長の推薦を受け、同年会において記者会見を行った。 講演内容に関する記事が、朝日新聞社、日本経済新聞社、時事通信社をはじめとする多くの新聞社の新聞・ネット ニュース等で掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
投稿論文の受理が遅れていることで、後続の成果を投稿論文にまとめるのが遅れている。しかし、データの取得やデータの解析、研究会における成果の発表は順調に進んでおり、区分を(3)とした。
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Strategy for Future Research Activity |
観測提案を行い引き続き観測データの取得を続けながらも、取得されたデータの解析を行い成果がまとまった段階で論文にまとめて出版する。
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Research Products
(13 results)