2012 Fiscal Year Annual Research Report
生体触覚センサの神経生理学的な外界刺激受容特性に基づいた新規触覚センサの開発
Project/Area Number |
12J07585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲谷 正史 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 特別研究員(SPD)
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Keywords | 触覚 / 触感 / 計測工学 / 皮膚感覚 / 情報処理 / 末梢神経 / 神経科学 / 機械受容 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実績の概要は次の3つに要約される。 1.コロンビア大学医療センター・皮膚科に滞在し、触覚機械受容器であるメルケル細胞の研究に従事した。Ellen A.Lumpkin教授の指導の下、共同研究先で開発されたメルケル細胞eGFP発現マウス(Lumpkin et al.,2003)を利用した実験を行った。具体的には、マウス皮膚から表皮メルケル細胞を抽出し、培養手法の習得を行った。また、メルケル細胞の生理特性を研究するための計測システムの構築を行った。加えて、得られた生理データを解析するプログラムを作成した。以上により、研究題目を完遂するために必要な実験データを取得・解析するために必要な一連の実験装置・プロトコルの開発は完了した。 2.生体触覚センサ(メルケル細胞)の機械変形シミュレーションモデルの構築 コンピュータ上にメルケル細胞を模擬した有限要素モデル構築をした.表皮メルケル細胞は大きく分けて2つの形態(oval or dendritic shape)を示すことが報告されている(Nakafusa et al.,2006)。このような形態の変化が機械受容特性にどの程度影響を与えうるのかを検討するために、メルケル細胞の機械変形モデルの構築を行った。詳細な検討を次年度以降行う予定である。 3.テクタイルの活動を通した触覚研究アウトリーチ活動の実施 アカデミアにおける触覚研究をアウトリーチする活動として、申請者が2007年より中心となって立ち上げたテクタイル(触感デザイン)の活動を慶應義塾大学・舘研究室/筧研究室ならびに山口情報芸術センター(YCAM)と共同で推進した。平成23年度に開発したテクタイルツールキット(簡易触覚伝送システム)を利用したワークショップを日本国内ならびにフィンランドにて開催した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究題目を完遂するために必要な実験データを取得・解析するために必要な一連の実験装置・プロトコルの開発は完了していることから、計画通りに進行している。既に予備データはとれ始めており、平成25年度の研究予定内容が前倒しで進行している。表皮メルケル細胞の機械受容特性に関する生理学データの取得が十分な数でき次第、触覚センサ開発に必要な機械刺激受容モデルの開発に着手する考えである。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究では、表皮メルケル細胞の機械受容特性を電気生理手法を用いて詳細に検討する。機械刺激の強度に対してどのような応答特性を示すかを調べ、機械受容に寄与するイオンチャネルの解析を行う。得られた結果に基づき、機械受容シグナリングの生理モデル構築を目指す。また、表皮メルケル細胞の有限要素モデルを利用して、機械刺激受容応答モデルの構築を検討する。また、開発した実験プロトコルにより、「表皮メルケル細胞が触覚刺激の受容に直接関わっているのか」といういまだ解明されていない問題の解決をも目指す。
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Research Products
(8 results)
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[Presentation] TECHTILE toolkit2012
Author(s)
Kouta Minamizawa, Yasuaki Kakehi, Masashi Nakatani, Soichiro Mihara, and Susumu Tachi
Organizer
Joint Virtual Reality Conference 2012
Place of Presentation
Madrid, Spain
Year and Date
2012-10-17
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