2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体触覚センサの神経生理学的な外界刺激受容特性に基づいた新規触覚センサの開発
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12J07585
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
仲谷 正史 慶應義塾大学, システムデザイン・マネジメント研究科, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | メルケル細胞 / 機械受容器 / 触覚センサ / 末梢神経 / 触覚 / SAI Afferent / Mechanoreceptor / Merkel cell |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、生体の触覚センサの特性を知ることで、人工触覚センサ開発を目標とした。機械受容器の中で、圧覚を担っている表皮メルケル細胞は、長らく機械刺激によって応答が引き起こされることが予想されていた。しかしながら、その応答メカニズムは明らかではなく、遅順応性の感覚神経応答がどのように引き起こされているのかについて、理解がされていなかった。ゆえに、生体が受けている触覚情報を効率よく取得するセンサの開発にとって、設計指針を立てるのが困難であった。
平成26年度は、メルケル細胞が機械受容チャネルPiezo2を通して生理学的応答を示すことを明らかにした。ホールセル・パッチクランプ法を用いて、機械刺激によって引き起こされる機械受容チャネルの応答特性を解析したところ、ルテニウムレッドで機械刺激応答をブロックできること、反転電位が8mV程度であること、不活性化時定数が8msと即順応性であることがわかった。これらは、Piezo2チャネルの代表的な特性の1つである。また、RT-qPCRの結果からは、Piezo2のトランスクリプトが豊富に存在していることが示された。以上の結果から、メルケル細胞の機械応答特性を支配しているのはPiezo2チャネルであると結論づけた。これらの研究成果は、英国科学雑誌Natureに採択され、平成26年5月に出版された。
次に、マウス表皮内のメルケル細胞と、後根神経節から取り出した神経細胞を利用し、培養ディッシュ上でメルケル細胞ー神経複合体を人工的に再構成する検討を行った。条件検討を重ねた結果、メルケル細胞を機械刺激することによって、後根神経節由来の細胞が興奮性の応答することをカルシウムイメージング法によって確認した。今後は、最適な培養条件を明らかにし、生体触覚センサ素子を人工的に作成した上で、それらを複数並べた触覚センサシステムの開発につなげてゆく。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Epidermal Merkel cells are mechanosensory cells that tune mammalian touch receptors2014
Author(s)
Maksimovic, S., Nakatani, M., Baba, Y., Nelson, A.M., Marshall, K.L., Wellnitz, S.A., Firozi, P., Woo, S., Ranade, S., Patapoutian, A., Lumpkin, E.A.
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Journal Title
Nature
Volume: 509
Pages: 617-21
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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