2012 Fiscal Year Annual Research Report
反射型光センサを用いた柔軟物体にかかる圧力の計測手法の提案とその応用
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12J07631
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 裕太 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 柔軟物コンピューティング / ユビキタスコンピューティング / ユーザインタフェース |
Research Abstract |
本提案では,家庭にあるクッションやぬいぐるみなどの柔軟物に計測機能を付加することで知的な居環境を構築する枠組みの中で取り組んでいるものである. これまでの研究成果において反射型光センサを用いて綿の密度変化を計測することができることを発見し,これにより柔軟物体に対する「押しつぶす」「たたく」インタラクションを検出できるようになった.一方で,単体のセンサモジュールでは接触された位置の情報の取得が困難なため,取得できる操作が限定された. そこで当該年度では,複数配置したセンサを協調させることで,二次元平面における接触位置を計測するマルチセンサシステムを構築した.接触位置は質点系の重心計算式を応用して算出を行った. このための準備として,センサモジュールの小型化およびデータ処理の高速化を行った.また,複数のセンサデータを管理するサーバを構成することで,複数のクライアント側にデータを提供可能な基盤を構築した. さらに,センサのキャリブレーションシステムを開発した.これは光センサから放出されている赤外光が綿や布を透過する特徴を活かし,赤外線透過カメラを用いてセンサの位置を初期化するシステムを構築した. 上述のシステムを利用して,柔らかいロボットや,自動的な消灯を促す枕,ゲーム操作などのアプリケーションを複数作成した. また,新たな知見として,反射型光センサを利用して柔軟物の中でも伸縮性のある布の伸縮率を計測することに成功した。布に光を照射しながら伸縮させたときに,布の編み目の大きさに伴い光の透過率が変わるため反射率も変化する.この反射光をセンサで捉えることで伸縮率を計測可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては,当初の予定に従い,分散協調可能な小型センサモジュールの開発,およびそれを用いた二次元平面に置ける接触位置を算出するシステムを開発した.またこのシステムを元にアプリケーション構築のための基盤システムを開発し,複数のアプリケーションを試作した.さらに当初目標としていた課題に加えて,同様の反射型光センサを用いて柔軟物の中でも特に布の伸縮を計測できるという現象を新たに発見した.
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に開発した基盤システムを利用して実用性が高いアプリケーションの作成を行う.具体的にはユーザの睡眠状態の計測や健康を推進するエンタテイメントのためのコントローラを開発する.また同時に,24年度に未着手だった接触位置を算出するモデルの妥当性をモーションキャプチャなどの位置測器のデータとの比較を行うことで評価を行う.
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Research Products
(2 results)