2013 Fiscal Year Annual Research Report
反射型光センサを用いた柔軟物体にかかる圧力の計測手法の提案とその応用
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12J07631
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
杉浦 裕太 慶應義塾大学, 大学院メディアデザイン研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 柔軟物コンピューティング / ユビキス・コンピューティング / ユーザーインタフェース |
Research Abstract |
本提案では, 家庭にあるクッションやぬいぐるみなどの柔軟物に計測機能を付加することで知的な居環境を構築する枠組みの中で取り組んでいるものである. これまでの研究成果において反射型光センサを用いて綿の密度変化を計測することができることを発見し, これにより柔軟物体に対する「押しつぶす」「たたく」インタラクションを検出できるようになった。当該年度では昨年度の知見をベースに, 1. 機械学習を導入した姿勢推定を実現, 2. スマートフォンのフラッシュとカメラを用いた柔軟物の圧力計測, 3. フォトリフレクタツールキットの制作を行った. 1では, 柔軟物の対象に合わせて, 組み換え可能なフォトリフレクタモジュールを制作し, 柔軟物にアレイ状に組み込むことができた. 次にこのモジュールが組み込まれたソファ上において, ユーザの姿勢状態を複数段階で推定できることを検証した. 機械学習にはSVMを用いた. 手順として, ソファ上に, 誰も着座していない, 一人が左右どちらの座面に着座して背もたれに寄りかかっている・寄りかかっていない, 一人が横たわっている, 二人が着座してる状態において, 36個のフォトリフレクタで学習データを蓄積した. 学習後にユーザが同様の姿勢をとり, 全ての姿勢において姿勢を分類できることを確認した. 2では, 提案手法を, スマートフォンで応用することで, 既にスマートフォンが持つ音声通信機能・情報提示機能等を利用しな溺ら, 手軽に柔軟体の変形を計測する手法を提案し, さらに誰でもダウンロード可能な状態にした. 3では, 知識を持たないユーザがフォトリフレクタの新たな計測手法や, 利用方法を発見できるようにするために, フォトリフレクタツールキットを制作した. 日本科学未来館において, 来場者がツールキットを、生活空間を模した環暁に貼り付けて, どのようなユーザの行動が計測できるか, またさらにそれからサービスを考えるワークショップを開催した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度においては, 機械学習を導入することによって, より高度なユーザの姿勢推定を実現した. さらに当初目標としていた課題に加えて, 提案手法の原理がスマートフォンでも実現できることを発見し, これをアプリケーションとして配布可能な状態にした. またフォトリフレクタを誰でも扱えるようにツールキット化し, 日本科学未来館において, 来場者がツールキットを, 生活空間を模した環境に貼り付けて, どのようなユーザの行動が計測できるか, またさらにそれからサービスを考えるワークショップを開催した. このように, 当該年度では, 技術を組み合わせることによる技術発展と, 技術の裾野を広まるための活動を積極的に行った.
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Strategy for Future Research Activity |
機械学習による姿勢推定の結果を解析することにより, ユーザの状態推定を行い, それに沿ったサービスを提供するフレームワークを構築する. また, 本センサだけでなく, ユーザの身体に装着された他のセンサと組み合わせることによって, より高度で多様な状態推定を試みる. また, 計測手法の背後にある原理のモデル化とそのモデルの妥当性の検証を行う.
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Research Products
(2 results)