2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12J07632
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 達哉 九州大学, 応用力学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ストリーマー / プラズマ乱流 |
Research Abstract |
ストリーマの構造形成機構を研究するため,ストリーマが現れ,かつ2つの状態(AおよびBとする)を行き来する実験条件で放電を行い,状態Aから状態Bに遷移する様子を観察することで,状態Bの形成されていく様子を解析した.ストリーマ形成には複数のプラズマ波動が関わっていると考えられているが,波の振幅やそれぞれの相互作用が変化する順をスペクトル解析を用いて観察することにより,主要な波動要素を同定することを試みた.状態遷移には,最も振幅の大きい周方向モード数m=2の波動の変化が大きく関係していることが分かった プラズマ乱流の非線形結合により,プラズマ中に巨視的な流れ場が形成されることが知られている.流れ場がストリーマに与える影響を調べるため,"Mach probe"と呼ばれる流れ場を直接計測する計測器で,プラズマの流れ場を3次元的に計測した.研究の初期段階として,プラズマ中にどのような流れが形成されているかを,さまざまな実験条件下で計測した.その結果,プラズマ中に3次元的な巨視的渦が形成されていることがわかった.巨視的な渦構造の形成される原因を調べるため乱流応力の直接計測に着手した.ストリーマ構造と巨視的渦の関係に関しても実験研究を進めていく. ストリーマなどの中間的,巨視的構造は,直線装置だけでなく大型装置にもよく見られている.特に,近年核融合科学研究所のLHDでは,ストリーマの特徴とよく似た,径方向に伸びた低周波数の振動モードが発見されている.このようにスケールの異なる装置での共通の現象を解析することは,根本的な背景物理を理解する上での助けとなると考えられる.LHDでの巨視的乱流構造の,非線形結合による高調波励起及び波形の歪みを,バイコヒーレンス解析を用いて調べた.巨視的構造の歪みが時空間的に発展していく様子が明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
自発的遷移現象の観察から,構造形成に関わる波の時間変化を詳細に解析できた.また,大型装置における比較研究も進展した.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,大型装置での比較研究を重点的に行う.また,流れと構造の相互作用を明らかにするため,流れ場計測にも力を入れる.
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Research Products
(3 results)