2012 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外光シングルトレーサーによるアルツハイマー病の二大病理像の同時イメージング
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12J07785
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 龍一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | タウ蛋白質 / アミロイドβ蛋白 / アルツハイマー病 / 蛍光イメージング |
Research Abstract |
本研究課題は、アルツハイマー病の二大病理像である凝集した(βシート構造を持った)アミロイド-β(Aβ)・タウ蛋白質に結合した際に近赤外光領域の蛍光シグナルを発する化合物群を見いだし、その蛍光スペクトルの違いから脳内のAβとタウ蛋白質を個別に画像化する手法を開発することである。 本年度は、蛍光化合物の化学構造-薬理活性相関研究を行いながら、近赤外光領域に達する化合物をスクリーニングし、その結合性を評価することであった。これまで見出したBF-188の化学構造-薬理活性相関研究により、ベンゾイミダゾール骨格がAβ、タウに結合した際のスペクトルシフトに重要であることを明らかにした。しかし、この骨格での長波長化は難しいことが明らかになったため、研究室が保有する数千のライブラリー化合物の中から、Aβ、タウに結合した際に蛍光波長がシフトするものがないかスクリーニングを行った。スクリーニングの結果、新規構造のリード化合物を同定した。そこからさらに、そのリード化合物を基に化学構造-薬理活性相関研究を行い、誘導体を合成し、AD患者脳切片の染色を行ったところ、タウ蛋白を明瞭に染色し、タウ蛋白に結合した際に発する蛍光が近赤外光領域(Cy5, Cy5.5フィルターで染色像が確認できた)に達していた。今後、脳移行性評価を行い、脳移行性が十分であれば、in vivoイメージングの準備を進める。不十分であれば、化合物のさらなる構造最適化を行い、同様の評価を行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Aβとタウ蛋白の両病理像に結合して、近赤外領域の蛍光を発する化合物をスクリーニングするという計画がおおむね順調に進み、タウ蛋白に関しては結合した際に、近赤外領域の蛍光に達する化合物が同定できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
現在開発したリード化合物の血液・脳関門移行性評価を行い、脳移行性が十分であれば、in vivoイメージングの準備を進める。不十分であれば、化合物のさらなる構造最適化を行い、同様の評価を行っていく。
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Research Products
(8 results)