2012 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンにおけるウイルス性呼吸器感染症の疫学および重症化因子の調査
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12J07846
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今村 忠嗣 東北大学, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ウイルス学 / 呼吸器感染症 / フィリピン / 熱帯医学 / 分子疫学 |
Research Abstract |
一年目前半には、臨床検体採取および患者情報収集のためのプロトコル・質問票の作成、各サイトにおける情報収集を行うとともに、東北大学医学系研究科およびフィリピン国立熱帯医学研究所の倫理委員会から研究内容への承認を得た。倫理委員会の承認を受けたのち、パラワン州プエルトプリンセサ市に位置する公立病院Ospital Ng Palawan(ONP)、レイテ州東ピサヤ地域タクロバン市に位置するEaster Visayas Regional Medical Center(EVRMC)およびビリラン州ナバル市に位置するBiliran Provincial Hospitalにおいて検体採取・保管施設の整備を行うとともに、実際に検体採取および患者情報収集を行う医師・看護師および検体の管理を行う臨床検査技師の雇用とトレーニングを行った。 2012年8月以降、実際に急性呼吸器感染症患者から臨床検体採取および患者情報の収集を開始した。2013年3月までの時点で、総計600人以上の患者から臨床検体採取および患者情報を収集した。採取した臨床検体は分離培養法および検出感度の高いPCR法により病原体を検索され、その結果、多くの患者から呼吸器感染症への関与が報告されているウイルスを検出することに成功した。現在、前述の検体採取と情報収集を継続させつつ、検出されたウイルスの各研究地における地理的・時系列的分布状況を解析するとおもに、収集された患者情報を使用して各ウイルスの感染による臨床像に関して解析を行っている。 臨床検体および患者情報の収集には時間がかかるため、その時間を活用し、本研究開始以前にEVRMCにおいて急性呼吸器感染症患者から収集された臨床検体および患者情報の解析を行なった。エンテロウイルス68型に特に着目し解析を行なった。解析の結果は2012年3月に複数の国際学会において口頭もしくはポスター発表された。本研究内容は現在論文化中であり、4月以降もレイテ州・ビリラン州・パラワン州における調査研究に並行させ継続させる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
フィリピンの病院での小児肺炎からの検体採取は申請した研究計画通り開始された。来年度はそれらの検体を利用した研究の進展が期待できる。またこれまで取り組んできたエンテロウイルス68についても継続して研究が進んでおり、論文化も間近なところまで来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
一年目に計画通り開始された検体採取および患者情報収集を継続させつつ、既に集まった検体から検出されたウイルスに対し分子疫学的解析およびウイルス学的解析を行うとおもに、収集した患者情報に対し統計学的解析を行う。 また、エンテロウイルス68型に関する解析を永続するとともに論文化する。
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Research Products
(3 results)