2014 Fiscal Year Annual Research Report
表面・界面の化学現象と多孔体構造変化の連成現象のマルチスケールシミュレータの開発
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12J07877
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中尾 和英 九州大学, 工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 固体酸化物形燃料電池 / シンタリング / 分子動力学法 / 密度汎関数理論 / フェーズフィールドモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、密度汎関数理論を用いた拡散係数の算出、フェーズフィールド法を用いた実構造の構造発展シミュレーション及び、分子動力学法・密度汎関数理論・フェーズフィールド法を組み合わせたマルチフィジックス・マルチスケールシミュレーション手法の構築を行った。固体酸化物形燃料電池(SOFC)の燃料極はニッケルを用いたサーメットの多孔体が主に使用されているが、SOFCの高い動作温度、電極内の雰囲気や使用される材料に影響されるニッケルのシンタリングによる性能低下が問題となっており、この予測技術の確立が重要となる。 この予測に向けてまず、密度汎関数理論を用いた表面拡散係数の算出において表面吸着元素との複合体形成を考慮することにより、ガス雰囲気の違いを考慮したNiの表面拡散係数の算出が可能となった。 次に、このような表面拡散変化の変化を取り込むことが可能なフェーズフィールド法による実構造発展シミュレーション手法を開発することにより、拡散係数が実際の構造変化へ与える影響をとらえることが可能となった。 最後に、分子動力学計算によるシンタリングを支配する拡散機構の解明、密度汎関数理論計算によるガス雰囲気を考慮した拡散係数の算出を、フェーズフィールド法を用いた実構造の構造発展シミュレーションと組み合わせたシミュレーションスキームの構築を行った。このスキームを用いることで、原子スケールシミュレーションの時間・空間スケールの大幅な拡張が可能となった。 このような、原子スケールシミュレーションと実スケールでの構造発展シミュレーションを組み合わせたマルチスケールシミュレーションスキームの構築により、より現実的なSOFC動作環境を考慮した構造発展シミュレーションへの道が拓けた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(7 results)