2012 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラメトリック計量モデルを用いた経済評価手法の構築
Project/Area Number |
12J07943
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
星野 匡郎 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 欠損データ / 二項選択モデル / 集合値推定 / 内生変数 / 構造方程式モデル / 分位点回帰 |
Research Abstract |
今年度実施した研究として主に以下の二つが挙げられる:(1)欠損データを含む二項選択モデルの集合値推定、(2)内生変数を含む可変係数モデルの分位点推定。(1)の研究は、アンケートやサーベイデータにおいて頻繁に生じるデータの欠損問題について、特に二項選択データに注目し、新たな分析手法を提案するものである。従来の分析では、欠損データに対して恣意的な仮定を導入することで分析を容易にして対処してきたが、そのような仮定は一般的に適切でなく、誤った政策判断を導きかねない。それに対し、本研究は欠損データの分布に恣意的な仮定を課すことなく、関心のあるパラメータを集合値として推定する。特に提案する推定量のHausdorff距離のもとでの一致性を証明し、さらに提案された手法の環境経済評価分析への応用研究も行った。本研究は2012年七月に開催されたAustralasian Meeting of the Econometric Societyや2013年一月に開催された関西計量経済研究会において報告が行われ、その後国際学術誌へ投稿した。(2)の研究は、従属変数の分位点やその他の共変量における影響の多様性を考慮した構造方程式モデルの推定を考察したものである。本論文で提案する分析手法は、教育水準が個人の賃金に与える影響を分析する際などに有効である。本研究はSingapore Management UniversityのLiangjun Su教授との共同研究であり、2012年8月から10月の期間シンガポールへ滞在し論文執筆を行った。現在、論文の第一稿の執筆を終え、2013年八月開催のEuropean Meeting of the Econometric Societyで報告する予定である。その後順次国際学術誌へ投稿する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通り研究を遂行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は2012年度に執筆した論文の修正改訂を行うと同時に、新たな論文の執筆にも積極的に取り組む。
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Research Products
(3 results)