2015 Fiscal Year Annual Research Report
形態的および化学的特徴に基づいた先カンブリア時代微化石分類
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12J07955
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
伊規須 素子 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋地球生命史研究分野, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 顕微赤外分光分析 / 顕微ラマン分光分析 / 原生代微化石 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は本研究で得られた成果をまとめ、前年度に投稿した論文を修正し投稿することを目標とした。投稿論文は、2報投稿し、1報は査読結果を受けて修正中で、1報は却下されたので改定して別誌に投稿予定である。 また、本研究の目的を達成するために、以下のように微化石試料・現生微生物試料の分析を推進した。微化石試料の顕微ラマン分光分析では、海洋研究開発機構に新しく導入された顕微ラマン分光装置を用い、1μm以下の空間分解能で原生代の糸状化石・球状化石のラマンスペクトルを得ることに成功した。糸状化石・球状化石から得られた炭質物に特徴的なG bandに着目し、炭質物の2次元分布・3次元分布を得て、炭質物が細胞構造状に分布することを確認した。顕微赤外分光分析においては、約35億年前のDresser累層から産した黒色チャート中の塊状炭質物を測定した。同試料からは、原核生物様の糸状微小構造が報告されたが、分析に用いた薄片試料ではそのような微小構造は観察されなかったので塊状炭質物を測定対象とした。約500点の塊状炭質物を測定し、1点から脂肪族炭化水素のシグナルを得た。これまでに測定してきた原生代微化石試料に比べ、当該地域の炭質物の脂肪族炭化水素含有量が極めて低い。これは当該地域の炭質物が低緑色片岩相の変成作用を被っており、前述の原生代微化石試料より熟成度が高いことと調和的である。今回の結果と前年度までに得られた結果から、赤外スペクトルの脂肪族炭化水素のCH3/CH2ピーク高さ比に基づくと、本地域の炭質物は主にバクテリア由来の脂肪族炭化水素鎖を保存するが、アーキア由来の脂肪族炭化水素鎖も含むと考えられる。このことは、約35億年前の海底熱水系においてバクテリアとアーキアの両者とも存在したことを示唆する。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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