2014 Fiscal Year Annual Research Report
超均一網目構造を有するTetra-PEGゲルの生体分子精密分離媒体への応用
Project/Area Number |
12J07977
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
リ キョウ 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 電気泳動 / ゲル / DNA / ラウス / レプテーション / エントロピー / ダイナミックス / 拡散 |
Outline of Annual Research Achievements |
均一な網目構造を有するゲル内でのポリ電解質の電気泳動挙動を系統的に調査した。均一な網目構造を有するゲルとしてTetra-PEGゲルを用い、ポリ電解質としてランダムコイル状の二本鎖DNAを用いた。実験によって得られたランダムコイル状二本鎖DNAのゲル内での移動度と鎖長の見かけ上のベキ乗数はゲルの架橋点間分子量やポリマー体積の変化に対して連続的に変化した。この傾向は既存理論(Ogston, Reptation, Stretched reptation)では説明できない。移動度をポリマー体積分率に対してプロットしたところ、棒状二本鎖DNAの実験で得られた移動度と分離媒体のポリマー体積分率と同様の関係式が発見された。更なる解析により、高分子網目構造内での棒状・コイル状の二本鎖DNAの泳動挙動はDNAの鎖長のベキ関数項と指数関数項の積で表すことが可能であることが明らかになった。ベキ関数項は基本的な泳動挙動を示す項で、本実験ではRouse modelとReptation modelにそれぞれ一致するベキ乗則が観測された。一方で、指数関数項はDNAが網目構造内で泳動する際に感じるエントロピー障壁を示す項であった。棒状DNAではエントロピー項の鎖長依存性がゲルの架橋点間分子量に強く依存したのに対して、ランダムコイル状DNAのエントロピー項の鎖長依存性は架橋点間分子量によらず、一定のベキ乗則に収束した。この傾向は棒状DNAとコイル状DNAではDNAが感じるエントロピー障壁は質的に異なることを示唆している。これらの結果は、高分子網目構造内での物質の泳動挙動が既存理論のように単一のメカニズムに支配されているのではなく、基本的な泳動挙動と同時にエントロピー障壁が泳動挙動を支配していることが強く示唆された。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)