2013 Fiscal Year Annual Research Report
単一光子発生の制御を目指した金属-量子ドットナノ構造体の創製
Project/Area Number |
12J08034
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
内貴 博之 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 単一光子発生 / 量子ドット / 表面プラズモン共鳴 / 金属ナノ粒子 |
Research Abstract |
本年度は、単一光子発生挙動を測定するために必要な金属/シリカ(コア/シェル)ナノ粒子と量子ドットの1:1複合体を精度よく作製することに注力した。昨年度では、この複合体を効率的に作製することが困難であり、非常に低確率でしか得られなかった。そのため、信頼性の高いデータ分布が得られず、プラズモン共鳴効果の影響による光子発生挙動の変化を詳細に検討することができなかった。 金属/シリカナノ粒子へQDを吸着させる際、分散液の温度とpHの調整、及びカルボン酸修飾が施されたCdSe/ZnS QDを用いた。これは非平衡型自己組織化現象を利用することで、QDの吸着量を制御できるかを試みるためである。その結果、温度を5~50℃、pHを5~9で変化させた条件において、QDの吸着量を制御することはできなかった。具体的には、無調整の条件と大きな変化はなく、QDが単独で吸着した金属/シリカ-QDは極低確率でしか観測できなかった。 以上の試みから、非平衡型自己組織化による金属/シリカ-QD作製について検討した。しかし、得られた結果からは最適な条件を得られなかった。その理由として、本実験で用いた条件だけでなく、各々の粒子の分散条件も考慮する必要が挙げられる。この非平衡型自己組織化によるナノ粒子の精密な積層化技術を確立することで、コロイド化学や自己組織化といった基礎科学分野だけでなく、次世代の太陽電池や高発光材料、また新規の光電子デバイスの発展に大きく貢献することが期待できるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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