2012 Fiscal Year Annual Research Report
3次元縦型構造MOSFETのボディチャネル動作のデバイス設計に関する研究
Project/Area Number |
12J08055
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
今本 拓也 東北大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ボディチャネル / 3次元縦型構造 / MOSFET / DRAM / Capacitor-less DRAM / Field Effect Diode / Floating Body |
Research Abstract |
特別研究員研究の1年目の計画を、"ボディチャネル動作型3次元縦型柵SFETのデバイス構造パラメータと電気的特性との関係の解明"とした。理想的な3次元縦型MOSFETでは、シリコンピラーはシリコン基板に対して垂直(=90°)となり、シリコンピラーの上部と下部とでのピラー直径は一致する。一方実用上では、シリコンピラー形成時のばらつきを考慮して、例えば89°±1°のように、シリコンピラーはシリコン基板に対しテーパー形状を持つように設計される。従って、上部のピラー直径は、下部のそれに対して細くなるため、電流の向きにより電流・電圧特性が非対称となる。ボディチャネル動作型3次元縦型MOSFETのデバイス設計指針構築の為、上記非対称の原因解明が重要である。この観点から、3次元縦型MOSFET特有のデバイス形状に着目して、10nm世代までの電流・電圧特性の非対称性の原因を解明した。得られた結果より、ボディチャネル動作型3次元縦型MOSFETのデバイス設計に対する有用な知見を得た。 3次元縦型構造MOSFETを高精度に制御するためには、Floating Bodyのポテンシャルと電荷を精密に制御することが重要である。この観点より、Floating Body内の電荷量を記憶メカニズムとするキャパシタレスメモリセルに注目した。3次元縦型構造MOSFETの高いゲート制御性・高集積度性に加えて、ボディチャネル動作によって、Floating Body効果を電気的に制御可能なキャパシタレスメモリセルの提案を行い、データの書き込み、消去、読み出し、保持といったメモリ基本動作を示した。更に、上記提案メモリセルの保持特性を改善する為の動作方式の提案を行い、従来の平面構造型と比較して読み出し電流値を維持しつつも、保持時間を約1万倍に改善可能であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に計画していた、デバイス構造と電気的特性(定常特性)の解明を行うと共に、得られた知見を発展させて、ボディチャネル動作とFloating Body効果(過渡特性)を積極的に利用したメモリセルの提案を行った。また、モンテカルロ手法によるデバイス特性解析に向けた環境立ち上げと、3次元縦型構造MOSFETの実測の開始など、平成25年度及び26年度に計画している研究を一部先行して行った。従って、当初の研究計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究計画を元に、ボディチャネル動作型3次元縦型構造MOSFETのDC特性のデバイス設計指針を元に、過渡特性とAC特性のシミュレーションを行い、実デバイス設計に沿った研究を行う。DC特性とは異なり、過渡特性とAC特性では、寄生容量、寄生抵抗による影響が見えてくるため、DC特性でのデバイス設計が、必ずしも過渡特性とAC特性での最適なデバイス設計となるとは限らないからである。 特に、Sub-10nm世代以降の3次元縦型構造MOSFETに関しては、モンテカルロ手法による計算を行うことで、極微細デバイスの特性を明らかにする。
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