2014 Fiscal Year Annual Research Report
イデオロギー対立を超えたアジア太平洋地域協力-その先駆としての太平洋問題調査会
Project/Area Number |
12J08068
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三牧 聖子 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | アジア太平洋 / 国際交流 / 地域協力 / トランスナショナリズム / リージョナリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
一般に、アジア太平洋地域における地域協力や安全保障が論じられる際、第2次世界大戦以前に関心が向けられることはほとんどない。この時期、アジア太平洋地域は、ナショナリズムやイデオロギーによってばらばらに分断され、全地域的な安全保障に向けた取り組みと呼べるようなものは存在しなかったという前提が自明とされているからである。 この前提を問い直すべく、1925年の設立以来1961年までアジア太平洋地域の問題を広く討議するフォーラムを提供し続けた太平洋問題調査会(Institute of Pacific Relations: IPR)の活動の解明を進めた。研究課題をより効率的に進めるため、2013年9月からハーバード大学日米関係プログラムにアカデミックアソシエイトとして所属した。 2014年8月からは滞在先をワシントンDCのジョンズ・ホプキンズ大学へと移し、今日のアジア太平洋の地域協力の現状、そしてその将来についての発展的な課題にも取り組んだ。第二次世界大戦後、和解を着実に進めてきたヨーロッパに対し、なぜアジア諸国は、いまだに第二次世界大戦という過去をめぐって争いあっているのだろうか。この差異を生み出した原因は今まで、第二次世界大戦後の国際環境や、政治家のリーダーシップに還元されてきた。しかし、ドイツの旧敵国との和解は、政治家のイニシアティブのみで実現されたわけではなく、市民社会アクターの様々なトランスナショナルな活動に裏付けられて初めて可能になったものである。戦後ドイツの歴史和解のプロセスを包括的に明らかにしてきた Prof.Lily Feldman Gardnerと、彼女がディレクターを務めるAICGSとの共同研究を通じ、ヨーロッパの和解の経験が、将来のアジア太平洋の和解にどのような示唆を与えるかを、特に”Societal Reconciliation”の過程に光を当てて検討した。
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(6 results)