2013 Fiscal Year Annual Research Report
生体内小分子によって成熟が制御されるヒトmiRNA前駆体の探索及び機能解析
Project/Area Number |
12J08188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺坂 尚紘 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | SELEX / in vitroセレクション / miRNA / metabolite |
Research Abstract |
プロジェクト二年度目である本年度は、前年度のセレクションによって発見した、S-アデノシルホモシステイン(SAH)に結合するRNAであるSAH-1と、葉酸に結合するmiRNA前駆体(pre-miRNA)の解析をそれぞれ行つた。 SAH-1は細菌の23SリボソーマルRNA (rRNA)の一部と高い相同性があつたが、In-line probing解析より、細菌の23S rRNAはSAHに対して結合しないことが分かった。SAH-1はHeLa S3細胞で発現していることがノーザンブロッティング法で前年度に確認された。しかし、qPCR法を用いて絶対定量を行った結果、SAH-1の発現量が非常に微量であったため、前年度のノーザンブロッティングの結果は偽陽性の可能性が考えられる。 葉酸に結合するpre-miRNAの様々な変異体を転写合成し、葉酸を固定した磁気ビーズに対して結合するか調べた。その結果、pre-miRNAのループ部分が葉酸との結合に重要であることが分かった。また、同様の方法で、pre-miRNAの前駆体であるpri-miRNAも葉酸に対して結合することが分かつた。また、バッファー中の金属イオンの種類・濃度を検討したところ、マグネシウムイオンが結合に重要であることが分かった。また、葉酸がpre-miRNAのプロセシングを制御するかどうかを調べるために、pre-miRNAの切断を行うタンパク質であるDicerを発現、精製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、セレクションによって発見した小分子結合性RNAの解析を行っており、葉酸との結合に重要なpre-miRNAの部位を同定した。Invitroでのpre-miRNAプロセシング実験に必要なタンパク質は発現・精製し、これから実験を行う予定である。当初の年次計画では2年度目でin vitroの実験を終了する予定であり、現状はやや遅れていると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はBLI (Bio-layer Interferometry)法によってpre-miRNAの葉酸に対する結合の詳細な速度論解析を行う。また、pre-miRNAの切断を行うタンパク質であるDicerをin vitroで用いて、葉酸がpre-miRNAのプロセシングを制御するかどうかを調べる予定である。
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Research Products
(5 results)