2014 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ多孔体内部における水の相変化及び輸送に関する量子分子論的研究
Project/Area Number |
12J08214
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
福島 啓悟 東京農工大学, 大学院工学府, 特任助教
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 流体力学 / 分子動力学 / 微細流路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は昨年度に行った,微細液滴-壁面間に働く摩擦力の中で気液界面から遠い領域に働く摩擦力の流路幅依存性に関する研究の論文を執筆した.また,新規の研究としてフランスのINSA-LYONの研究室にて,固体壁面と液滴の間に作用する剪断応力に関する研究を行った.本研究では微細な空間に生じた液滴が輸送する運動量が,壁面の濡れ性などによってどのように変化するのかを明らかにし,液滴の運動量輸送に関する基礎的な知見を得ることを目的とした.nmオーダーの流路内に生じた液滴の剪断を考え,液滴-固体壁面間に働く剪断応力の大きさを解析し,濡れ性や剪断方向に対してどのように変化するのかを明らかにした.これらの研究により,燃料電池といった液滴の輸送が非常に重要なデバイスにおける物質輸送現象の解明するための基礎的な知見を得る事ができた.具体的な研究成果は以下の2つである. 1. 液滴-壁面のNavierの摩擦係数が流路幅に依存し,流路幅が小さくなると摩擦係数が大きくなるという関係が得られた.また,その原因が数10MPaオーダーのLaplace圧力によるものであることを明らかにした.また,昨年度に明らかになった流路幅とLaplace圧との関係式を用いてNavierの摩擦係数を補正しする事で,MDの計算結果と流体力学に基づく式から予測される応力が一致す事を明らかにした. 2. 液滴の剪断方向が気液界面に平行な場合と垂直な場合とで生じる摩擦力を評価し,2つの場合で生じる摩擦力がほぼ同じであることを明らかにした.一方,2つの場合で液滴内部に生じている剪断応力が大きく異なっており,生じている速度分布が大きく異なっているためであることを明らかにした. これらの研究により,微細流路内における液滴-固体壁面間に働く摩擦力に関する基礎的な知見を得ることができた.
|
Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(5 results)