2012 Fiscal Year Annual Research Report
オートファジーに必須なPASの生化学的解析による膜形成機構の解明
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12J08262
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 翔 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | オートファジー / PAS / Atg13 |
Research Abstract |
細胞は栄養飢餓に陥るとオートファジー(自食作用)を誘導し、自分自身を分解・リサイクルすることで飢餓を生き抜いている。出芽酵母では、オートファジーが誘導されるとまずPASと呼ばれる"オートファゴソーム形成の足場"が構築される。PASの形成は細胞内の栄養状態によって厳密に制御されており、細胞が栄養飢餓に陥ると直ちに形成されるが、一方、栄養を添加し、栄養状態が改善すると10分ほどで離散する。しかしながら、どうやってPASの形成が制御されているのか、その分子機構の理解は遅れていた。PASの形成にはAtg1,Atg13,Atg17-Atg29-Atg31複合体が必須であり、これらの因子が栄養飢餓に伴い、Atg1-Atg13,Atg13.Atg17相互作用を上昇させ、Atg1.Atg13-Atg17-Atg29-Atg31複合体を形成することが必須である。私はこのPAS形成に重要なAtg1.Atg13,Atg13.Atg17相互作用に着目し、Atg13のC末端領域のリン酸化はAtg1-Atg13相互作用に、Atg13の中央の領域のリン酸化はAtg13.Atg17相互作用に関与することで、栄養飢餓に応答したPAS形成を制御していることを見出した。これらの成果はこれまで謎であったPAS形成の制御機構に迫るものであり、オートファジーの誘導のメカニズムの理解に資するものと確信している。現在、これらの研究成果について投稿準備中である。また、選択的オートファジーの分子機構についても共同研究を行い、その成果をJBC誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度はPAS形成の制御に必須なAtg13のリン酸化を同定することができたため、概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き、Atg1-Atg13,Atg13-Atg17相互作用に着目し、PAS形成のメカニズムを明らかにしたいと考えている。ごく最近、Atg13のC末端領域のリン酸化に加え、N末端領域もAtg1-Atg13相互作用の制御に必須であることを見出しており、どうやってN末端領域とC末端領域が協調し、Atg1-Atg13相互作用を制御しているのか明らかにし、PAS形成の分子機構の理解を推し進めたい。
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Research Products
(3 results)