2013 Fiscal Year Annual Research Report
正準交換関係に基づく新しいQCD和則の構築と、そのQCD物性への応用
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12J08301
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
早田 智也 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | QCD和則 / Nambu-Goldstone boson / Time crystal / Schwinger mechanism |
Research Abstract |
本年度は、媒質中のQCD和則、特にメソンについての和則の研究を行った。昨年度行った真空中のQCD和則の研究を有限温度、有限密度の場合に拡張し、その拡張した和則の簡単な現象論的応用を行った。真空中と同様にローメソンの質量公式の導出を行い、グルーオン凝縮を用いたメソンの質量についての有限媒質効果を議論した。 また、交付申請書に記載されていない研究をいくつか行った。一つ目は、Nambu-Goldstone bosonの数勘定ついての研究でeffective potentialの曲率が平らになる方向の数について、時空対称性を含むより一般の場合の公式を示した。2つ目は、QCDにおけるtimecrystalの研究である。カイラル非一様相が存在する状態で、さらに電場をかけることで、真空に時間振動するオーダーパラメータを励起できることを、近似計算に頼らず解析的にQCDを解くことで示した。3つ目は、確立過程量子化を用いたSchwinger効果の研究である。経路積分で表わされる振幅を古典的なランジュバン方程式を用いて計算する方法は知られていたが、遅延グリーン関数を確立過程量子化の方法で計算する方法は知られていなかった。本研究では、遅延および先進グリーン関数を確立過程量子化に基づいて計算する方法を構築し、例として、Schwinger効果の計算を実演した。これら3つの研究について結果をまとめ、論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究内容について論文を発表するとともに、今年度行ったいくつかの研究内容についても論文にすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の通りに、和則についての研究を進める。また、論文の発表についても平行して行う予定である。
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Research Products
(9 results)