2014 Fiscal Year Annual Research Report
自己集合性錯体を利用した金属ナノワイヤーの構築と単分子伝導度測定
Project/Area Number |
12J08348
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大須賀 孝史 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 自己集合 / クラスター / 分子認識 / 単結晶X線構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、平面状錯体を積層することにより、金属イオンナノワイヤーの簡便かつ自在な構築を目指している。とりわけ、平面状Au(I)三核錯体の積層状態を制御することで、[3 x n]型Au(I)ナノワイヤーの構築を行った。これまでに、浅い凹みをもつトレー型Au(I)三核錯体を合成し、この錯体が平面分子を認識することを明らかにしており、ゲスト分子としてAu(I)三核錯体を用いることで、三核錯体の積層構造を構築できることが分かっている。 本年は、トレー型Au(I)三核錯体と、ゲストAu(I)三核錯体の両者からなる積層の数(n)が、溶媒条件やAg(I)イオンの添加にしたがって一義的に定まる挙動を(n = 2-4)、NMRおよびX線結晶構造解析により詳細に解析した。例えば、水―アセトニトリル混合溶媒中では、トレー型Au錯体とゲストAu錯体が1:1で会合し、Au3-Au3クラスターが得られたのに対し、100%水中では、2:1で会合し、Au3-Au3-Au3クラスターが得られた。この結果から、トレー型Au(I)三核錯体の分子認識には疎水効果が主な駆動力となっていることが分かった。さらにAg(I)イオンを系中に添加すると、Au3-Au3-Ag-Au3-Au3クラスターとなった。X線結晶構造解析の結果、1個のAg(I)イオンは、ゲストAu(I)三核錯体2分子に挟まれていることを明らかにした。Au(I)イオンとAg(I)イオンの距離(2.75-2.86 A)は、両者のファンデルワールス半径の和(3.4 A)より短く、Au(I)-Ag(I)相互作用が強く働いていることが分かった。以上、トレー型Au(I)三核錯体を新たに設計したことで、さまざまな金属数からなるAu(I)クラスターが合成できた。この成果は文献に報告した(Angew. Chem. Int. Ed. 2014, 53, 11186)。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)