2013 Fiscal Year Annual Research Report
SRSF3遺伝子を標的とした新たな癌治療法の開発を目指すRNA研究
Project/Area Number |
12J08354
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
赤池 瑶子 徳島大学, 医科学教育部, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2012 – 2014-03-31
|
Keywords | SRSF3 / HIPK2 FL / HIPK2 △e8 / HP1γ / DNA障害 / DNA修復 |
Research Abstract |
これまでに、SRSF3のノックダウンによるHIPK2 Δe8の選択的な発現は癌細胞の細胞死を誘導することを見出し、がん治療の新たな標的分子となる可能性を示した。さらに、HIPK2FLとHIPK2 Δe8の新規標的因子の同定にも着手し、質量分析法によりクロマチン構成因子HP1γを同定した。 平成25年度は、HIPK2-HPIγを介した新たなDNA損傷応答機構の解明を目指した。1)ヒト大腸癌細胞(HCTl16)のHIPK2をノックダウンすると、非致死量の紫外線(UV-C)を照射しても、DNA障害により生じる(6-4) photoproductsとSer139がリン酸化されたピストンH2A.X(γH2A.X)を除去できず、アポトーシスが誘導されること、及び、hipk1/hipk2欠損マウス胎児線維芽細胞に非致死量UV-Cを照射した場合でもγH2A.Xを除去できないこと、2)免疫沈降法と免疫蛍光染色法により、HIPK2はHP1γのchromo-shadow domainに特異的に結合し、核内で共局在すること、3)in vitro kinase assayとphos-tagを用いたウェスタンブロットにより、HIPK2はHP1γをリン酸化する活性を有し、非致死量UV-C照射によるHP1γのリン酸化を介在すること、及び、HIPK2の過剰発現下ではUV-C照射によるrH2A.Xの集積が抑制されること、4)HP1γをノックダウンしたHCT116に非致死量UV-Cを照射した場合でもアポトーシスとγH2A.Xの集積が誘導されること、5)HIPK2によるHPIγのリン酸化は、HP1γをピストンH3のトリメチル化Lys9とクロマチンから解離させることを見出した。 以上の結果から、HIPK2はHP1γを介してクロマチン構造を制御し、DNA損傷修復を促進する可能性が示された。
|
Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
|
Research Products
(1 results)