2012 Fiscal Year Annual Research Report
国際私法上の性質決定理論再構築のための研究:信託及び隣接法律関係の親近性と特殊性
Project/Area Number |
12J08432
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
八並 廉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 国際私法 / 性質決定 / 信託 |
Research Abstract |
本研究は,国際私法上の性質決定の理論に関する研究に,信託とその隣接法律関係(法人や代理等)の国際私法上の区別を素材として用いて取り組み,当該理論の再構築を試みることを目的とするものである。平成24年度に実施した研究は下記の通りである。 まず,本研究の序論的考察として,信託とそれに類似する法制度の間の性質決定問題について検討する報告を,平成24年9月にレウヴェン・カトリック大学(ベルギー)において開催された国際シンポジウムにおいて行った。当該シンポジウムには,多様な分野から研究者及び学生が参加しており,本研究に対して多角的にコメントを頂戴することができた。 また,信託の性質決定問題については,ドイツにおいて関連する裁判例や学説が複数存在することが法制審議会等で確認されているが,これまで網羅的な調査は行われてこなかったことを考慮し,ケルン大学(ドイツ)における在外研究を実施し(平成24年11月16日~平成25年2月8日および平成25年2月27日~年度末),ドイツ国際私法に関する最新の裁判例・学説の動向を調査した。この間,ケルン大学国際私法外国私法研究所における研究活動を通じて,Heinz-Peter Mansel教授をはじめとする同大学所属の研究者から,本研究に対するコメントを頂戴したことも有意義であった。なお,この調査結果に基づく研究成果の一部については,来年度にThe 5th Journal of Private International Law Conference(平成25年9月12-13日,マドリード自治大学(マドリード))において報告を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の下での研究成果の一部について,国際シンポジウムにおける報告等で公表することができたため。 また,当初の研究実施計画に沿って,本年度後半よりドイツにおける在外研究を開始することができたため。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題のもとでの研究活動の成果について,国内外の学会における報告及び論文執筆を通じて公表していく。 現段階では,来年度に,国際私法学会第126回研究大会(2013年6月1-2日:中央大学)やThe 5th Journal of Private International Law Conference(2013年9月12-13目:マドリード自治大学)において研究成果を報告することが予定されている。
|
Research Products
(6 results)