2012 Fiscal Year Annual Research Report
単一生細胞内における複数種mRNA蛍光イメージング法の開発
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12J08481
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 俊理 東京大学, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | RNA / 選択的スプライシング / 一分子イメージング / 蛍光タンパク質再構成法 |
Research Abstract |
本申請研究においては、生きた細胞内のRNA分子を特異的に標識する機能性分子プローブを開発することで、様々なRNAの動態を解明する。具体的には、単一の遺伝子から選択的スプライシングによって産生される複数種のmRNAを生きた細胞内において、同時蛍光観察する手法の開発を行うこととした。なお、標的とするmRNAは、細胞骨格に結合するタンパク質である、トロポミオシンとした。 1.複数種のmRNAを特定黄に標識するためのRNA検出プローブを作製した。RNA検出プローブはRNA結合ドメインPUM1二分子のアミノ酸配列が、計16塩基を特異的に認識する。二つのPUM1に、蛍光タンパク質の断片を融合させることで、本プローブは、RNAに結合した時のみ蛍光を発する。本研究においては、選択的スプライシングの結果生じるmRNAの特異的な配列をPUM1の結合配列とし、変異体PUM(mPUM)を作製した。このmPUMに蛍光タンパク質の断片を融合させた。選択的スプライシングの結果生成する複数種のmRNAそれぞれに対応するプローブを作製するために、各プローブに用いる蛍光タンパク質の種類を変化させることで、複数のmRNAを同時に蛍光観察することが可能となる。本研究においては、緑色蛍光タンパク質と赤色蛍光タンパク質を用いた。 2.開発したRNA検出プローブの対象に対する特異性を検証した。プローブを細胞に導入し、ホルムアルデヒドで細胞を固定した。その後、トロポミオシンmRNAと相補的な核酸プローブを導入することで、対象mRNAを蛍光標識し、蛍光顕微鏡で蛍光輝点を観察した。それぞれのプローブの蛍光輝点は、核酸プローブによって標識された対象mRNAの蛍光輝点と一致したことから、開発したプローブは、選択的スプライシングによって生じた複数種のトロポミオシンmRNA上でそれぞれ特異的に蛍光を発することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、RNA検出プローブを新規に開発し、そのRNA検出プローブを用いることで新たな生命現象を解明することを目的としている。申請時の段階において初年度は、RNA検出プローブの開発と、その特異性の評価を目標としていた。 「研究実績の概要」に記載したように、初年度内に対象としたトロポミオシンの複数種mRNAをそれぞれ特異的に標識するRNA検出プローブの開発に成功したことから、順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、開発したRNA検出プローブを生きた細胞に導入することで、対象mRNAの細胞内における動態を可視化することを予定している。特に、選択的スプライシングの結果生じた複数種mRNAの、細胞内における発現量ならびに空間的な分布といったパラメータの時間的推移を計測する。その結果、生じた複数のmRNAにおいて、どのような条件で、どのパラメータに差異が生じるかを検証することで、選択的スプライシングのmRNAに対する影響を解明する。
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Research Products
(5 results)