2012 Fiscal Year Annual Research Report
マウス間葉系幹細胞のin vivo可視化と組織修復後の創傷治癒に関する研究
Project/Area Number |
12J08507
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
原田 聖子 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 未分化性維持 / 遺伝子発現解析 |
Research Abstract |
研究の目的は、(1)生体内における間葉系幹細胞(以下MSCs)を追跡することのできるレポーターマウスを作製し、(2)生体内でのMSCsの局在、動態を解明し、(3)組織損傷後の創傷治癒に関する検証を行うことである。 組織損傷後、損傷治癒が起こる際には、組織特異的体性幹細胞が中心的役割を担うと考えられている。 これまでに骨髄間質細胞を用いて骨髄以外の損傷組織に対し、局所移植による治療を行った報告があるが、なぜ骨髄問質細胞にそのような効果があるのか、そして移植細胞ではなく生体が本来持っている骨髄間質細胞は損傷個所に誘導され治癒効果があるかについては明らかにされて来なかった。しかし、安全で高効率な移植治療を行うためには、疾患形成のメカニズム及び組織修復機序における幹細胞の役割を生物学的に詳細に解明することが必要である。当研究室ではこれまでにフローサイトメーターを用いて、細胞表面抗原を指標にヒト骨髄細胞(LNGFR,Thy-1共陽性分画)とマウス骨髄細胞(PDGFRa,Sca-1共陽性分画)から培養を介さず、MSCsを直接分離することに成功している。この方法で得られた細胞を用いて、申請者はこれまでにマウス・ヒトMSCsに特異的である間葉系幹細胞の未分化性維持に重要である候補遺伝子を絞り込んでいた。 本年度は、野生型マウス骨髄細胞内での候補遺伝子の発現パターンを免疫染色し、陽性細胞数の定量化を行った。また並行して、マウスでの解析に先行して進めていたヒト間葉系幹細胞を用いたin vitroでの候補遺伝子の解析を中心に行った。候補遺伝子を発現抑制すると、細胞の増殖能だけでなく、間葉系細胞のうち脂肪細胞への分化能が低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は計画書に記載していた内容について、ほぼ予定通り実験を進める事ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は論文報告に向けて、これまでに得られたデータをまとめる。本年度は、マウス骨髄切片を免疫染色し定量化する評価系を立ち上げ、定量化を行った。現在、遺伝子組み替えマウスを用いて、生体内の局在を解析している最中である。
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Research Products
(1 results)