2013 Fiscal Year Annual Research Report
複数台手持ちカメラを用いた3次元コンテンツ生成に関する研究
Project/Area Number |
12J08515
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池畑 諭 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 照度差ステレオ / デプスマップ超解像 / コストボリュームフィルタリング / 3次元形状復元 |
Research Abstract |
本年度では研究実施計画に基づき主に下記の二つの課題について検討した. -課題(1)様々な材質に対する照度差ステレオ法に基づく高精度表面形状の取得 -課題(2)デプスセンサによって取得された奥行き画像(デプスマップ)の効率的かつ高精度な超解像 課題(1)に対する研究実施状況 本課題では複数の異なる光源下で静止物体を撮影した画像群から被写体の徴細な表面形状を復元する照度差ステレオ法において一般反射表面に対する制約付き2変数回帰を利用した照度差ステレオ法を提案した. この提案では従来困難であった等向性材料(isotropic material)に対する照度差ステレオ法を非線形最適化に頼らずに解決する手法を世界で初めて提案した. 提案した技術は, 従来非線形最適化問題として扱われてきた複雑な反射特性を持った対象に対する照度差ステレオ法問題が適切に線形化する事によってより解きやすい形に変換し得ることを示した初めての研究でもある. 課題(2)に対する研究実施状況 前年度において提案されたコストボリュームフィルタリングと呼ばれる最適化手法を利用したデプスマップの超解像手法に関して, 対象のデプスマップの取り得る値のバリエーションが大きい場合にコストボリュームフィルタリングの計算コストが大きくなることが確認されたため, 本年度ではこの問題を解決するためにラベル数が大きい問題に対しても効率的にコストボリュームフィルタリングを適用する手法を検討した. 具体的には, 最適化問題で扱うラベルの内, 実際には考慮する必要が無いラベルを適切に除去する事によって冗長な計算を削減する技術を提案し, コストボリュームフィルタリングが適用可能な様々なコンピュータビジョンの問題に関して通常のコストボリュ―ムフィルタリングの精度を維持したまま80%以上の効率改善を実現した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
3次元形状モデリングに関して, 大きな研究の進展があり, 期待を上回る成果を残すことができた. 博士課程での仕事は, 照度差ステレオに関する大きく3つのまとまりがあり, それにとどまらず, 分野を精力的に広げ, デプス画像の超解像に関する研究も進行させた. 照度差ステレオの問題に対しては, ランバート拡散反射モデル下でのスパース回帰を用いた頑健な手法, より一般の拡散反射モデルに対する区分線形近似による逆関数を用いた手法, そして複数ローブを有する一般の等方的な反射モデルに対する手法を提案し, これまでになく安定して高い精度の結果を生むことを実証し, その成果は, 筆頭著者論文として, CVPRというコンピュータビジョンのトップ会議での2件の発表, 同じくトップジャーナルのIEEE T-PAMIに採択された.
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Strategy for Future Research Activity |
照度差ステレオ法に関する研究とデプス画像の超解像はこれまで独立に研究してきたが, 近年では照度差ステレオ法に代表されるPhotometryアプローチとデプス情報に代表されるGeometryアプローチを統合させてより高品質かつ完全な3次元モデルを生成する研究に注目が集まっている. しかし既存の知見では, ランバート拡散反射平面を持つ物体に対してのみにしか両者の統合が試みられてこなかった. 今後は, 複雑な反射曲面に対して適用可能な照度差ステレオ法に関する提案手法と, デプス超解像手法を組み合わせて複雑な材質に対するPhotometryとGeometryの融合の実現を目指したい.
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Research Products
(4 results)