2014 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン感受性TRPP3チャネルの新規味覚受容機構の解明
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12J08523
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
樋口 大河 富山大学, 医学薬学研究部, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | TRPP3 / オフ応答 / 味覚 / 不活性化 / パッチクランプ法 / 二瓶選択実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はTRPP3のゲーティングに関わる分子基盤と苦味受容における構造機能連関およびin vivoレベルにおけるTRPP3の苦味受容について詳細な検討を行った。 1)TRPP3チャネルのゲーティング基盤と苦味応答との関連性の検討 TRPP3チャネルの選択性フィルター近辺のアミノ酸残基のうち533番目のアスパラギン残基(N533)は、TRPP3チャネルのキニーネ応答に重要であり、キニーネに対するTRPP3チャネルの応答にはN533を基盤とした不活性化が関与することが示唆された。 2)TRPP3ノックアウトマウスを用いた苦味受容解析 TRPP3ワイルドタイプ (WT)マウスとTRPP3ノックアウト(KO)マウスを用いて、水とキニーネ溶液による長時間二瓶選択実験(48時間)を行い、キニーネ作用に対する忌避行動(オン応答)について検討した。キニーネ溶液摂取量の比率の濃度依存性に有意な差はみられなかった。続いて、キニーネ除去による後味に対する忌避行動(オフ応答)についての解析として、二瓶とも30 μMキニーネ溶液で前処理を行った直後に、水と30 μMキニーネによる短時間二瓶選択実験(15分間)を行った。その結果、KOマウスでは水よりもキニーネ溶液の摂取量が少なかったが、WTマウスでは水よりもキニーネ溶液を多く摂取する傾向を示した。また、in vitro実験でTRPP3活性に影響しない苦味物質であるデナトニウムを用いて同様に二瓶選択実験を行った。デナトニウム忌避におけるオン応答およびオフ応答のどちらにおいても、WTとKOマウスの間に有意な差はみられなかった。したがって、これまでにin vitroで観察された苦味物質のwash outによるTRPP3チャネル活性化に相当する事象がin vivoにおいても観察され、個体レベルにおいてTRPP3が苦味のオフ応答に関与しているものと考えられた。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)