2013 Fiscal Year Annual Research Report
クロック同期全光フリップ・フロップを用いたデジタル光集積回路
Project/Area Number |
12J08524
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
財津 優 東京大学, 大学院工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 光集積回路 / 偏波変換器 / 偏波多重方式 / 半導体光アンプ / 光導波路素子 / 偏波変調器 |
Research Abstract |
本研究の今年度の成果として, まず上記ハーフリッジ型PCの断面構造の最適化を数値計算によって行った. ハーフリッジ構造のリッジ側にウェットエッチングによって作製できる(lll)結晶面の傾斜を導入することにより, TE/TM変換率が90%以上となるような幅方向のトレランス(許容誤差)を従来の100nm程度から210nmまで増加できることを示した. 本成果を国際学会OECC-PS2013 (2013年7月, 京都)において発表し, Best Student Awardを受賞した. また, 本内容を含めた発表を電子情報通信学会2013年ソサイエティ大会(依頼講演)にて行い, 2013年度の同学会エレクトロニクスソサイエティ学生奨励賞を受賞した. 次に, ハーフリッジ型PCがモノリシック集積に適合することを示すため, 能動光素子であるInP半導体光アンプ(semiconductor optical amplifier : SOA)とのモノリシック集積を実証した, オフセット量子井戸法を用いてSOAとPCを同一基板に集積する形で作製し, 特性評価を行った. 通常では量子井戸構造を用いたSOAはTEモードにしか光利得をもたないが, TEモードで増幅された光をPCによってTMモードへと変換することで, 出力としてTMモードの強度がSOAの注入電流に比例する, すなわち見かけ上ではTMモードが増幅されたような特性を得ることに成功した. 同時に, 同一チップ内でPCを有していない導波路からはTEモードが増幅されており, PCを用いて1枚のチップからTE・TM両モードを出力することに成功した. この結果から, 偏波多重PICの実現において最大の課題であったPCと光能動素子とのモノリシック集積を, InP材料系において初めて実証した. 本結果の報告は国際学会ECIO-MOC2014 (2014年6月開催予定)の招待講演において報告する予定である. さらに, ハーフリッジ型PCを導波路型位相変調器と組み合わせた偏波変調器の提案を行った-従来の研究ではTE光をTM光に変換することだけが着目されてきたが, PIC内部で任意の偏波へと自由に変調ができようになれば, PICに偏波制御という新たな機能を付加することができ, PICの応用可能性の拡大が期待できる. 電気光学(electro-optic : EO)効果を用いた位相変調器を用いてTE/TM間の位相差を電気的に変調することで, 導波路内で偏波の電気的変調が可能であることを示した.
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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