2014 Fiscal Year Annual Research Report
陸面・雲微物理データ同化システムによるアジア域の降水予測可能性の向上
Project/Area Number |
12J08545
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
瀬戸 里枝 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 大気‐陸面結合データ同化システム / 豪雨予測 / チベット高原大気加熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
開発したCALDAS-WRFの改良を進め、雲域内の水蒸気と気温の同化をこれまでの雲の同化過程に含めることで、課題の一つであったピーク時降水量の不足が改善され、ポイントスケールでの観測降水量との良い一致を確認できた。水平解像度数kmの精度で降水強度を適切に再現できたことは、洪水予測を飛躍的に向上させる降水予測を行う可能性を示す結果といえる。 もう一つの課題の降水継続時間については、原因の一つと考えられる広域の風の場の改善のために、気象庁よりご提供頂いたウインドプロファイラデータの同化を、3DVARを用いて試みた。しかし、データの得られる地点数が少ないことや、広域の水蒸気・気温場の同化は行っていないことから、効果は僅かに留まった。現業モデルなどによる、精度の高い広域大気場データの利用などで、更なる改善が期待できる。 雲水量や雲の鉛直分布の再現性向上も重要な課題であるが、これらは観測データも少なく、現時点ではシステムの再現性の評価も難しい段階である。平成26年度は、数少ない観測データの一つである、CloudSat衛星の能動型のマイクロ波レーダーのデータを使用して、雲水量の鉛直分布の評価を行い、CALDAS-WRFは実際よりもかなり過大な雲水量を同化してしまう傾向を確認した。今後、より詳細な評価を行い、同化手法や放射伝達モデルの改良していくことが必要である。 降水の季節予測に向けたアジアモンスーンに関する解析研究については、平成26年度は陸面データ同化を長期に適用し、平成25年度までに明らかにした、チベット高原の2008年の加熱メカニズムと同様のメカニズムが2004年から2010年の同時期にも見られることを確認した。今後はチベット高原の陸面状態と大気加熱、そしてアジアモンスーンなどの広域循環場の年々変動をより詳細に解析し、相互の影響がどの程度であるかを明らかにすることが課題である。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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