2012 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化への影響を考慮した低ソニックブーム水素燃料超音速旅客機の概念検討
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12J08618
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
湯原 達規 東京大学, 大学院・工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 航空機設計 / 超音速旅客機 / 水素燃料 |
Research Abstract |
航空輸送需要の急増,経済活動の国際化による時間価値上昇に伴い,大量高速輸送の将来的需要が見込まれており,日欧米を中心として次世代超音速民間旅客機の研究開発が活発に行われている.コンコルドは定期便就航を実現した唯一の超音速旅客機として知られるが,その経済性の低さ,そして環境性の悪さ故に2003年退役となった-現在ではそれを教訓に,巡航性能高効率化はもちろんであるがソニックブーム低減化,空港騒音低減化,NOx低排出化,気候変動への影響低減化,を中心として研究開発が進められている.私は次世代超音速民間旅客機の燃料として水素に着目した-既存のケロシン燃料に比べて水素燃料は発熱量が高いことから大幅な離陸重量低減が期待でき,経済性そして環境性を改善できるものと考えたからである.しかし,ケロシン燃料と水素燃料の特性は大きく異なり,水素燃料の導入は航空機各種性能に広範囲に影響を与えると予想できる.また近年では多分野統合最適設計の活発に研究がされているが,それは航空機設計の初期段階から各分野のトレードオフ関係を調整し,その後の設計の負担を減らす試みためと考えられる. 本研究の目的は,水素燃料の特性と超音速機実現の課題(ソニックブーム,空港騒音,NOx排出,気候変動への影響)に着目して水素燃料超音速旅客機の機体成立性を概念検討すること,多分野統合最適設計システムを独自に構築し活用することで分野間のトレードオフ関係を定量的に評価し知見を得ることとした. 本年度の成果としては,超音速機の各種課題に着目して水素超音速旅客機の性能評価を行い,その結果,気候変動への影響が水素超音速機の実現の妨げになると予測した.そして,気候変動への影響を最小化すると同時に航続距離を最大化する多目的最適化を行った.そこで得られたパレート解を分析することで,目的関数同士そして目的関数と設計変数間の関係を評価した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の当初の計画では「ソニックブーム」と「気候変動の影響」に焦点を当てていたが,「空港騒音」と「NOx排出」を含めることで超音速機実現のための主要課題全てを取り扱うことにした.それを考慮しても,おおむね順調に進展していると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
上述したが,「ソニックブーム」と「気候変動の影響」に加え,「空港騒音」と「NOx排出」を含めることで超音速機実現のための主要課題全てを取り扱うことにした.その理由として,航空機設計において幅広い分野を取り扱う多分野統合最適設計の研究が盛んであることが挙げられる.この研究計画の変更が研究遂行の大きな支障になるとは考えてはいないが、進捗管理にはより一層の注意を払う予定である.
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Research Products
(3 results)