2012 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ALS患者・家族の社会的孤立とその支援構築に関する日韓比較研究
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12J08697
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安 孝淑 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ALS / 難病患者支援 / 日韓比較 / 患者家族 / 社会的孤立 |
Research Abstract |
本研究は、ALS患者と支援者の支援方法を多角的部分で解決できる方法を模索することを目的とする。そのため、患者の生活に大きな影響を与えている部分を把握し、その部分を中心的に把握する調査を行った。まずは、修士論文で確認した意思伝達に関する様々な動きに関して、実践として、韓国のALS患者にスイッチ(患者の身体能力に合わせて改造したナースコール)を提供した。その結果、韓国の意思伝達装置などに関しての認識が高くなり、政府からも小規模でありながら意思伝達支援事業が増えることになった。また、日韓の支援制度に関して調査を行った。実際、患者の生活が成り立てている要素である介護が誰によって行われていて、それが、その介護者にどのような困難があるのかは、すでに看護学の論文で確認されている。しかし、その介護が成立するための前提である支援制度の調査に関しては(特に韓国)極めて少ない。そのため、日韓のALS患者のための支援制度を調査し、両国の相違点と問題に関して把握し、「ALS患者をめぐる支援制度の日韓比較--難病・障害支援制度と介護保険制度の分析を通じて--」(研究ノート)にまとめた。また支援制度に関する客観性を図るためにアメリカの支援制度を調査し、その問題点を把握した。 また、本研究科と交流している韓国障害者連合会のセミナーに参加し、両国の難病患者の事情を話し合った。そこで、「コミュニケーション支援技術--「障害があることで感じる不便さ」の解消における社会モデルの再検」というタイトルで発表した。また、中国難病支援に関するセミナーに参加し、事情を把握することができた。 このように1年間、日韓およびアメリカと中国のALS患者の生活を支えている支援に関して把握することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目は、日韓ALS患者の生活の把握とその問題点を探ることが目標であり、そのうえ、アメリカと中国のALS患者の生活を支えている支援に関して把握することができたため、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も支援に関する状況を充実に把握することと共に、生活全般にかかっている経済的な問題や、医学的な問題などの検討を予定している。ALS患者だけではなく、主に介護を担っている(大部分家族)人の困難や、社会的に孤立していく過程を把握することで、視野を広げる作業を通じ、研究を深めていきたいと思う。
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Research Products
(4 results)