2013 Fiscal Year Annual Research Report
在宅ALS患者・家族の社会的孤立とその支援構築に関する日韓比較研究
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12J08697
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
安 孝淑 立命館大学, 先端総合学術研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ALS / 家族介護員 / 社会的孤立 / 介護支援制度 / 日韓比較 / 福祉 |
Research Abstract |
本研究はALSの人の生活上での問題や、それをめぐる制度、また、両国のALS協会の歴史に関する研究である。その中で、25年度に計画した研究目標の中で、以下のことを実際行った。 1. ALSの人と家族が社会的孤立から、抜けるための装置である、介護支援制度に関して調査し、まず、韓国に関しての調査結果を踏まえて、昨年度にインタビューした内容を基にし、「韓国におけるALS患者家族の社会的孤立とその課題」というタイトルで、日本福祉社会に発表を行った。その後、日韓比較を行った上に、その制度の改善可能性を構想する内容を3月19~20日では国際カンファレンス「社会正義とカタストロフィ : リスク・責任・互恵性」で発表した。その内容は、ALSの人と家族の支援制度についてAmartya Senの議論を用いて発表であった。 2. ALSの人の位置づけに関して、考察する目標だった。この内容に関しては、今後具体的に取り上げる予定だが、今回参加した、韓国ALS協会の学術大会および総会では、ALSの人に関する話題が医学的内容に偏っていることが確認でき、仮説の通り、障害者としての支援は必要されるが、常に、医学情報に敏感になっていることを確認した。 3. ALSの目韓比較に関する国際学会での参加は、計画通りにできた。まず、11月21~23日は生存学研究センターで行われた障害学国際セミナーで韓国ALSの人の介護サービスを利用時の困難を単著で、ALSを巡って日韓の認識に差があるTLSという現象に関して共著でポスター発表をした。 12月上旬にはイタリアのミラノで行われた世界のALS協会の集まりであるAnnual Alliance Meetingと専門家グループのシンポジウム、国際ALSシンポジウムまで参加し、ポスター発表を共著で実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
日韓の制度や、日常生活に関して、文献調査や、インタビューを通じ、情報の把握が進んでいる。また、その内容を国内および、海外で発表する機会を増やして、自分の研究の幅を広げている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、昨年度に国際カンファランスで発表した内容を「ALSの人に対する社会的責任の現状と可能性」というタイトルで論文化する。それと同時に、韓国ALS協会の総会参加や、ALSの患者会と関係を構築しながら、変化した日韓の福祉制度に関して把握する。 そこで得られた結果を基にして、7月には博士論文の構想発表会を行い、論文の構成を整える作業をする。その後、実際、ALSの人とその家族の生活に関するインタビュー資料を基に、9月福祉社会学会誌に「韓国におけるALSの人の家族の社会的孤立とその課題」というタイトルで投稿する。 11月には、本大学院の生存学センターが主催する日韓障害学セミナーに参加し、ALSの人とその家族に対して、障害者福祉制度の意味に関する報告をする。さらに、2011年に実施した、ニューヨークALS協会のインタビュー内容と韓国、日本での調査資料を整理し、そこから得られた結果を取りまとめ、12月には国際ALSシンポジウムで「ALSの人(親)を介護するこの心理的問題(仮)」について発表を行う。
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Research Products
(4 results)