2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合性を有する3次元ナノ・マイクロパターン化足場材料による歯周組織再生
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12J08746
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
北上 恵理香 山形大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヒト歯根膜細胞 / PMEA / 生体適合性 / 歯周組織再生 / 中間水 / 血小板粘着 / 細胞接着 / 超解像蛍光顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
抜去歯から入手できるヒト歯根膜(PDL)細胞は、再生医療のための有用な細胞源として期待されている。我々はこれまでに、含水したPoly(2-methoxyethyl acrylate) (PMEA)類似体が有する中間水量が吸着タンパク質の量や構造変化に影響し、血小板粘着抑制とPDL細胞は接着するという接着選択性を示すことを報告している。本研究では、細胞の接着選択性の発現機構について、高分子の物性および水和構造の観点から考察した。PMEA類似体や既存の生体適合性高分子をスピンコーターによりPolyethylene terephthalate上に被覆した。PDL細胞は10%ウシ胎仔血清添加培地で培養した。各高分子上でPDL細胞を37℃、5%CO2雰囲気下、1×104 cells/cm2で播種し、1時間培養後、細胞を固定した。細胞染色はクリスタルバイオレット法で行った。 各高分子材料のガラス転移点、接触角と細胞接着には明確な相関がみられなかったが、各高分子の中間水量と細胞接着には良い相関がみられた。さらに細胞の接着選択性を示す高分子は中間水量が0.87~4.3 wt%存在することがわかった。以上のように、含水時に形成される中間水の量が特定の値を示す高分子を用いることで吸着タンパク質の量や構造変化を制御し、細胞の接着を制御可能であると考えられる。 次に、超解像蛍光顕微鏡(dSTORM)を用いて、PDL細胞とPMEAとの接着点を観察した。火炎処理したZEONOR上にPMEAをスピンコート法にて被覆した。PMEA上でPDL細胞を2日間培養後、ビンキュリンを抗体染色した。測定したビンキュリンの単一分子像から各分子の位置を求め,画像を再構成することによりdSTORM像を得た。その結果、接着細胞のビンキュリンを20~30 nmの高空間分解能で観察できた。今後、種々の接着斑構成タンパク質を高空間分解能解析することにより、細胞と高分子材料間相互作用の解明や優れた医療製品開発につながると期待できる。
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)