2013 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン二重膜ベシクルの超階層的組織化による光電変換システムの構築
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12J08773
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ミゾグチ ゴルゴル リカルド 東京大学, 大学院理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フラーレン / 高分子 / 形状制御 / 二重膜ベシクル / カーボンナノチューブ / 電子顕微鏡 / 分子運動 |
Research Abstract |
本年度は、二つの異なるアプローチでフラーレン二重膜ベシクルのようなナノカーボンと有機分子から形成される階層的複合材料の研究を行いました。 ①フラーレン二重膜ベシクルが水中に形成する疎水性環境を高分子の合成の場として用いて、触媒によるオレフィン化合物の開環重合を行いました。本年度は、触媒担持フラーレン二重膜ベシクルにおける高分子体の形状制御合成と制御メカニズムの解明に成功いたしました。フラーレンベシクルの表面置換基によって、高分子鎖が存在する膜の位置が大きく変り、得られる高分子体の形状が変化することを^<17>O NMR測定と電子顕微鏡測定で明らかにしました。従来の脂質二重膜ベシクルは高い流動性をもつため、ナノスケールでの高分子体の高度な制御合成は不可能でした。フラーレン膜に導入された分子とフラーレン分子の間の距離を制御できるため、この結果はフラーレン二重ベシクルを用いた光電変換システムの構築に非常に重要な技術になります。 ②透過型電子顕微鏡(TEM)を用いてカーボンナノチューブ上での単一有機分子運動の観察に成功しました。有機分子はナノカーボンと強く相互作用するため、有機分子の運動を観察するのが非常に困難でした。本研究では、その相互作用を抑えるために、新しい分子デザインを提案し、合成しました。分子の運動を原子レベルに近い解像度で動画として観察ができて、実際の分子運動シミュレーションとよくマッチングすることを確認しました。ナノカーボン表面と有機分子の間に生じる相互採用への理解が深まったため、より効率的な光電変換システムの構築が可能と考えられます。さらに、本研究は、交付申請書で提案した研究を大きく超えて、電子顕微鏡を用いた分子運動の観察技術として重要な成果になりました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画ではポルフィリン誘導体分子によるフラーレンベシクルの非供給結合的な表面修飾を想定していたが、より難しいとされる精密制御オレフィン重合、および金ナノ粒子による表面修飾の方法を開発しました。今年度に行った研究では、高分子の精密合成と表面修飾のメカニズムが明らかになり、いずれも超分子光電変換システムの構築に重要な技術になることが分かりました。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度にはフラーレン二重膜ベシクルの表面修飾のメカニズムを明らかにしたため、今後はフラーレンベシクルと高分子体・無機粒子の複合材料を有機薄膜太陽電池の材料として検討を行う予定です。フラーレン二重膜ベシクルの表面置換基、高分子体の構造、もしくは金ナノ粒子の表面リガンドによって、フラーレンと機能性材料との距離を制御できるため、太陽電池の性能も制御が可能になると考えられます。
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Research Products
(3 results)