2014 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレン二重膜ベシクルの超階層的組織化による光電変換システムの構築
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12J08773
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ゴルゴル リカルド ミゾグチ 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | フラーレン / 金ナノ粒子 / ベシクル / ハイブリッド / カーボンナノホーン / 電子顕微鏡 / 単一分子観察 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,二つの異なるアプローチでフラーレン二重膜ベシクルのようなナノカーボンから形成される階層的複合材料の研究を行いました. ①フラーレン二重膜ベシクル上での金ナノ粒子の配列を制御しました.静電相互作用によるベシクルの表面修飾は凝集を起こす原因として広く知られていますが,ここでフラーレンベシクルが水中に形成する界面の自由エネルギーの減少を吸着の駆動力として利用することで,ベシクル上に金ナノ粒子を高密度に集積化させることに成功しました.さらに,ベシクル表面上でナノ粒子をさらに成長させることも可能であり,ナノ粒子同士の表面プラズモン共鳴のカップリングを観測することに成功しています.このハイブリッド構造はフラーレン二重ベシクルを用いた光電変換システムの構築に非常に重要な技術になります. ②高分解能電子顕微鏡による単一の有機分子で修飾されたカーボンナノホーンの観察技術を開発しました.有機単分子の電子顕微鏡観察においては測定温度がその立体配座変換の速度に影響を与えないため,電子顕微鏡で有機単分子の動きを観察することが困難であったが,新たな分子デザインと測定条件を用いることで、複雑な有機分子の段階的な立体配座の変化を観察することに成功しました.また,画像解析により分子の動きを定量化する方法を確立し,これを用いて分子動力学の観点から有機単分子の動画を解析することで,観察された分子の動きが高エネルギー配座から低エネルギー配座への変化であることを明らかにしました.このような有機単分子の動的挙動を研究できる実験手法は他に例がなく,有機分子の構造解析と配座変化の研究に大変有用であります.本研究は,交付申請書で提案した研究を大きく超えて,電子顕微鏡を用いた分子運動の観察技術として重要な成果になりました.
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Research Progress Status |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)